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児童指導員業務のあり方 |
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1.はじめに〜育ってほしい子ども像 『自分のことは自分でする。そして、大きくなったら人のこともやってあげる』 (『愛と福祉のはざまに』より)
2.法的には〜児童福祉六法から(平成14年度版より)〜
児童福祉施設最低基準(S23.12.29):抜粋 第一章 総則 第7条 児童福祉施設における職員の一般要件 児童福祉施設に入所している者の保護に従事する職員は、健全な心身を有し、児童福祉事業に熱意のある者であって、できる限り児童福祉事業の理論および実際について訓練を受けた者でなければならない。
第七章 児童養護施設
第42条 職員 児童養護施設には、児童指導員(養護施設において、児童の生活指導を行う者をいう。以下同じ。)嘱託医、保育士、栄養士および調理員を置かなければならない。ただし、児童40人以下を入所させる施設にあっては、栄養士を置かないことができる。 2 児童指導員及び保育士の総数は、通じて、満3歳に満たない幼児おおむね2人につき1人以上、満3歳以上の幼児おおむね4人につき1人以上、少年おおむね6人につき1人以上とする。
第43条 児童指導員の資格 児童指導員は、次の各号のいずれかに該当するものでなければならない。 1 地方厚生局長の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校とその他の養成施設を卒業した者 2 大学の学部で、心理学、教育学又は社会学を修め、学士と称することを得る者 3 学校教育法の規定による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程意外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であって、2年以上児童福祉事業に従事したもの 4 学校教育法の規定により、小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校の教諭となる資格を有する者であって、厚生労働大臣又は都道府県知事が適当と認めたもの 5 3年以上児童福祉事業に従事した者であって、厚生労働大臣又は、都道府県知事が適当と認めたもの
第44条 生活指導及び家庭環境の調整 児童養護施設における生活指導は、児童の自主性を尊重し、基本的生活習慣を確立するとともに豊かな人間性及び社会性を養い、児童の自立を支援することを目的として行わなければならない。 2 児童養護施設の長は、前項の目的を達成するため、児童の家庭の状況に応じ、その家庭環境の調整を行わなければならない。
第46条 児童と起居を共にする職員 児童養護施設の長は、児童指導員及び保育士のうち少なくとも一人を児童と起居を共にさせなければならない。
第47条 関係機関との連携 児童養護施設の長は、児童の通学する学校及び児童相談所並びに必要に応じ児童家庭支援センター、児童委員、公共職業安定所等関係機関と密接に連携して児童の指導及び家庭環境の調整にあたらなければならない。
3.用語的には〜社会福祉基本用語集より 児童指導員 家庭の事情や障害などのため、児童福祉施設で生活を送っているゼロ〜18歳までの児童が健全に成長するように生活指導する専門職。 具体的には、大学で心理学、教育学、社会学を履修、卒業して学士を取得する、または小・中学校・高等学校の教員免許を取得し、児童福祉の実務経験を3年以上有し、厚生労働大臣や都道府県知事が適当であると認定された後、採用試験に合格して仕事に就く。
3.皆さんから聞かせて下さい
@広安愛児園で仕事をすることをどのように考えますか? A児童指導員の業務は見えてますか? B児童指導員の業務内容について、理解と確認はできていますか? Cもし、確認ができていないとしたら、どのようにしようと思いますか? D仕事の方向性は定まりましたか? E職場としての信頼できる存在は? F相談相手は同僚ですか、先輩ですか?
そして、相談できていますか? G児童指導員に尋ねたいことは何ですか?
4.児童支援の柱として
広安愛児園の歴史の中で、築きあげられた生活支援のルールがあります。広安愛児園の場合はそれは「自立と奉仕の精神」ということができるでしょう。 創立から54年を経過した今、どうでしょう? 創立から現在までの歴史をどのように学習していますか? 歴史の流れから園の方向性と存在意義を理解し、現在の方針を現場に周知し、児童の自立の観点から実際に行動に移していくことが児童指導員に求められていること、と言えるでしょう。
5.しなければならないことは多く、できることは少なくて…… 創立者モード・パウラス先生が来日され、様々な仕事を始めながら、慈愛園創設に奔走しておられた頃の状況です。 今の、自分の状況に置き換えてみて下さい。 広安愛児園の職員として、大人として、専門職を担う一人として「しなければならないことは多く、できることは少なくて…」という思いを抱えている方も多いと思います。半年を経過した今、できることは少ないものの「しなければならなかったこと」を先送りにしてしまったことはありませんか。あるいは、先輩職員に頼ってしまって、自分の存在は何だろうと思ったことはありませんか。 子どもに向き合うとき、皆さんは一人の大人です。 それは、何を意味するのか。これを機に、再考を。
6.児童指導員業務の実際
1)日常の職務(『神の家族−自立支援マニュアル』より一部改訂』)
児童指導員に求められる職務内容は、日常の生活支援に関する専門性と共に、日曜大工に至るまで幅広く、その内容は多岐にわたります。その中で主なものを挙げると次のようになります。
@子どもの日常生活への支援 ・日常生活への父性的な関わり ・広安愛児園としてのルールの徹底 ・自立への自覚 A児童自立支援計画の作成 ・入所に至る背景を理解し、児童養護施設の生活の中で必要な課題を見いだし、関係機関との連携や保護者との協力体制を確認し、自立に向けての目標設定を行います B学習支援 ・公文式を柱とする学習支援 ・ホーム内での個別の学習支援 Cスポーツ指導 ・春・夏(野球・バレーボール)、秋(相撲・バドミントン)の指導 ・各競技の指導者の開拓 D野外活動 ・野外活動全般の計画案作成・実施・反省 ・キャンプ・ハイキング等の引率 ・安全管理への配慮 E園内美化(生産、用具整備等含む) ・月2回の園内美化計画・実施 ・年間美化計画の作成 ・生産活動としての芋畑の管理および苗・わら・肥料等の手配 ・各種用具の点検・整備 ・子ども、職員への美化意識の高揚 F関係機関との連携 ・関係官庁:福祉事務所・熊本県児童家庭課等 ・児童相談所:熊本中央児童相談所(長嶺)・八代児童相談所(西片町) ・警察:益城町交番及び近隣地区交番・御船警察署 ・学校・幼稚園:広安西小学校・益城中学校・益城第二幼稚園・各高校 ・その他、問題行動への対応として家庭裁判所、少年鑑別所、補導センター、児童自立支援施設等との連携も行う。 G保護者との連絡・面接援助 ・ケースワーク業務:ケースワーカーとの調整・ホーム担当者との連携 ・保護者の状況把握 ・保険証確認 H
各種記録 ・業務記録 ・ケース記録:児童票作成・経過記録入力・外出・面会記録入力・保育士経過記録との連携 ・各種書類の作成および提出:必要書類の作成と提出を必要に応じてCWとの連携で行う I防災管理 ・避難訓練:毎月1回(年12回)の実施計画作成・実施・記録 ・部分訓練および防災ビデオの鑑賞:部分訓練を実施し、季節に応じた防災ビデオを鑑賞 ・救急法講習:年2回を予定し心肺蘇生および救急法の講習会実施 となります。
2)児童指導員の専門的関わり
日常の一般的な関わりと共に、子ども各人に深く関わるケースワーク的関わりとグループ活動を通して援助を図るグループワーク的関わりに大きく分類できます。
@ケースワーク的関わり 一般に、子ども個人に深く関わる内容で子どもの受入れの前からの関係作りの上で欠くことのできないもので、この関係づけがもとになってその後の生活が展開されていくこと になります。ケースワーク的な関わりを要する職務内容として ◇子どもの入退所の時期 入所後の援助目標の作成から、退所後のアフターケアに至る過程への援助計画の作成 ◇進路・職業援助 進路については、一人の子どもの進路選択にあたっては本人の明確な意志により学校・園との調整を行います。また、高校卒業後の大学・短大・専門学校への進学についても近年、希望者が増加傾向にあり、その適正と経済面の保証を図るための関係者との調整も行います。 職業援助は主に高校卒業後の職業選択への支援であって、子どもの適正を考慮しながら住み込みであったり住環境の調整までも含みます。 ◇保護者との対応
日常的には面会・一時帰省・外出等の調整を行います。保護者ができるだけホーム行くことのないように配慮し、事務所での対応を行います。また、離婚や離縁、養子縁組の調整等も児童相談所と連携して行います。 ◇問題行動対応 問題行動については各ホーム内で子どもの生活の立て直しにあたり、児童指導員・保育士が計画性を持って子どもに対して個別に関わります。野外活動や環境美化を児童指導員が子どもと共に行い、ホーム生活での気持ちの立て直しを保育士が担う等の分担を行うこともあります。 また、場合によっては主任以上が関わることもあり、自立への意識高揚のために生活の制限を加えることもあります。
Aグループワーク的関わり 児童養護施設の集団は人為的に作られた集団であり、子ども各人の持つ個性も様々であり、その中での子どもと職員、子ども同士の関係調整を図るのがグループワークです。 当園は小舎制の養護形態であり、ホーム集団へのグループワークと、園全体としてのグループワークとがあります。園内でのグループワークは園の行事として展開されることになり、児童指導員はこれらの過程に次の観点から関わっていきます。 ◇ホーム作り 男女混合縦割りのホーム構成の中で、疑似家族を構成し自立後あるいは家庭を持ったときに役割分担を想定して子ども一人ひとりが役割を持ちながら、ホームを運営す る援助を行います。 ◇行事の企画立案・実施・引率・反省 一つの行事を計画し実施するまでには、下見、打合せ等を何度も繰り返します。計画を職員に周知し、全員がその行事に参加する気持ちを持ちながら雰囲気を高めていくことが行事の成功へとつながると言えます。 行事終了後は早い段階で担当者としての反省をまとめ、職員全体での反省を出し、次に向けての改善点を見いだすという作業が必要になります。 ◇児童会指導 現在児童会としての自主的な活動はありませんが、長期休業の前後に子ども達を集めて生活の約束について話し合いを持ちます。また、毎月1回、各月の目標に従って ホーム会議を開き、ホーム代表者会としての話し合いを行っています。 ◇余暇活動 子どもの休日や夕食後の時間での子どもとの時間を過ごします。ミニゲームや周辺の公園等の情報収集に努めておくと役に立ちます。 ◇作業指導 広い意味での環境整備と考えます。職員だけが美化を進めるのではなく、子ども達が自主的に進める美化意識の高揚を図ります。 ◇宗教指導 教会学校出席や、教会への礼拝出席等を勧めます。 3)まとめ 児童指導員の職務内容を細かく分類すると際限がありませんが、 ・目的意識を持つ ・子どもに提供できる情報収集に心がける ・自分の経験の幅を広げる といった気持ちを持ちながら『子どもの自立支援』を念頭に置き、日常の業務に取り組む姿勢が大切になります。
7.新しい情報の収集・整理・活用
膨大な情報量の中から、今の子どもに必要な情報を収集し、整理・活用することは、生活への刺激となり、自立に求められる課題の提供にもなります。 児童指導員からの子どもへの働きかけは、自立という観点に沿った方向性を示す関わりとも言えます。情報の集約と発信を心がけましょう。
8.おしまいに〜児童指導員業務のあり方 以上の内容から、児童指導員の仕事像は見えてきましたか? かつて、広安愛児園の児童指導員は1人でした。「指導員は何でも屋でないとつとまらん」といわれていた頃です。法整備が進み人材の適正な配置が整い今では児童指導員が6人という広安愛児園になっています。 いま、「何でも屋」から卒業したのでしょうか。 この「何でも屋」の上にさらに「専門的な」という言葉が求められています。求められる技術や知識が「広く深く」なったことを意味します。 職員数が増えたことによって「誰かがやるだろう」の隙間が多くなっているように思います。 自分自身が仕事を担うという責任、仕事の状況を指導員相互が理解しておくという基本の循環が必要と考えます。 ひと言でまとめると「全体的な環境整備」と言えます。 どのように活かしましょうか。
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