【私の技術士試験突破法】


私は平成10年度の技術士の電気・電子部門の試験に挑戦し、運良く合格することが出来ました。

私が試験について当時思ったこと、経験したこと、感じたこと、その他を皆様の前に開示することにより、後に続く方々の参考になれば幸いです。

なお、私が合格した後に試験制度が大きく変更になりました。そのため、ここに記載した事柄がそのまま通用するかどうかはわかりません。

利用・活用に当たっては、皆様の自己判断にお任せいたします。


                  
【記載内容】

【1.私の技術士試験勉強法】

【2.技術士試験受験申込書の記入について】

【3.業績論文について】

【4.知識論文について】

【5.問題分析】

【6.まとめ】

【7.論文サンプル】
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【1.私の技術士試験勉強法】                    

@使用した参考書について
私は、あれこれと参考書を買い集めるタイプではありません。試験勉強に使った市販の参考書は、「技術士試験突破レクチュア」日刊工業新聞社の2600円本1冊のみです。

「技術士って一体どんな資格試験なの?」・・・私は当時、 技術士の名称は聞いたことはありましたが、その内容・詳細については殆ど知りませんでした。私は上記の本を熟読し、敵(技術士試験の概略)姿を頭に叩き込みました。

「戦う敵の姿(技術士)」をもっと具体的に知りたかったので、過去問題をチェックしました。私の周りには電気応用の合格者や受験者が多くいたので、先輩達が持っていた過去問題を見せてもらって敵の具体的な姿をつかみました。

実際の過去問題を見て感じたことは(第一印象は)・・・
問題の難易度としては、電験2種の知識があれは十分対応できる試験と感じました。

しかし、五者択一の試験と違い、短時間で論文を仕上げる能力が問われるので、「頭では十分理解できても、文章とし出力できなければ不合格となるな〜」・・・

「頭の知識をペンで素速く出力する訓練が絶対に必要だ!」と痛感しました。

現在、試験制度が変更になり、五者択一が1部に導入されています。しかし、今でも論文試験の点数比率は大きく、論文を短時間で仕上げる能力が無ければ合格はありえません。

A通信教育について
私は、一切受けておりません。恐らく高価?であろうし、どの程度効果があるかは疑問です。私の周りは、全て独学で合格しています。
大学受験の予備校のように、技術士合格のための職業的な専属講師がいれば効果はあると思います。先輩で技術士資格保有者が

B私の勉強方法について
電験コーナーに記載している「電験1種の合格体験記」とダブりますが、私の資格試験に対する合格への三カ条は次の通りです。

(1)敵を知り己を知ること
(2)合理的な勉強をすること
(3)合格のイメージを持つこと

(1)敵を知り己を知ること
試験に合格するには・・・・・・まず敵を知ること。次に己の実力を知ることです。

敵を知るためには・・・過去の試験問題を調査・整理し、出題内容・傾向・難易度・重要ポイントを的確につかむことが大切です。技術士試験の過去問題をチェックしていたら、同じ問題や類似問題が表現を変えて繰り返し出題されていることに気づきました。また、電験2種の過去問題からも多く出題されていることにも気づきました。

己の実力を知るためには・・・試験問題を実際に自分で解くことで容易にわかります。自分の実力が現在どの程度有るかを客観的に知ることが大切です。
ここでは特に、自分の弱点の見極が重要です。
・時間内に記入できるか?
・記載内容は問題趣旨に沿っているか?
論文試験は五者択一のように白黒がはっきりしないので、第3者の目を通して弱点を知ることが効果的と思います。

(2)合理的な勉強をすること
勉強しなければ合格は絶対にありません。勉強は不可欠です。
日々の生活を守り、勉強時間を捻出することには、物理的にも精神的にもかなりの努力が必要です。捻出した勉強時間を有効に使うことが合否のポイントとなります。

私の持論は「勉強はベクトルである。」です。スカラーでは有りません。勉強の効果は勉強した時間に比例しません。
そこには力率が存在します。力率が悪ければ幾ら勉強を長時間しても合格には近づけません。力率改善が合理的な勉強法です。・・・・電気屋さんなら、力率は十分ご理解のことと思います

それじゃ、合理的な勉強法とはいったいどんな勉強法?・・・

★常に目標(ゴール)を見据える。
・現在の勉強方法が効果的か?
・目標に対する方向のズレがないか?
など、ポジショニングを常に心がけることが必要です。

★全ての範囲を満遍なく勉強する時間の余裕はない
・出題確率の高いものに時間を掛ける。
・過去問題中心の勉強を行い、苦手な部分のみ基礎的勉強をする。
・etc 

合理的な勉強法は百人百様です。自分に一番合った合理的な勉強法を見出すことが大切です。

★私は、エビングハウスの忘却曲線を考慮した勉強法が効果的と思います。
・繰り返し、繰り返し、同じものを何度も勉強することです。これを繰り返すことによって、短期記憶を長期記憶として定着させることが出来ます。

また、繰り返しの間隔は次のように設定するほど効果的です。
・夜勉強したものは、翌朝起きて要点の再チェックをする。
・また朝夕の通勤時間に要点の再々チェックをする。
この様にすれば、かなり効果があがると思います。

★丸暗記の勉強をしない。
勉強においては具体的なイメージを頭に浮かべて、脈絡を付けて理解することがポイントです。
(例)小学校で習う「円の直径と円周の関係」は、円周の長さ=直径×円周率です。この公式をただ丸暗記するのでなく、直径100mの池を具体的にイメージし、自分が池の周りを走っている姿を思い浮かべます。一周して314m走った。つまり直径の3倍以上走ったと具体的に理解することです。
これは、レベルの低い例でしたが、この様な考え方で難しい問題の勉強を行うと理解が深まり記憶として定着します。

(3)合格のイメージを持つこと
一流スポート選手は、メンタルトレーニングを重要視します。
資格試験の難易度が高くなればなるほどメンタルトレーニングが重要になると思います。

難しい試験ほど勉強に行き詰ったり、不合格通知で自信喪失するものです。精神面が弱いと「自分には合格する能力がない。」と弱音を吐き、自分自身を納得させ、戦線離脱してしまいます。(受験を諦める)。

★勝利を得るためには、自己暗示・潜在能力を利用することが大切です。常に自分に・・・・・
・「勉強すれば必ず合格できる。」
・「自分には合格できる能力がある。」
・「日々実力が付いてきている。」
 と自己暗示を掛け続けることです。

「昨日より今日、今日より明日、日々合格に近づいてきている。」
と現在進行形で思い続けることです。
頭の中に合格のイメージが具体的に浮ぶ様になれば合格が近い証拠です。

合格のイメージが湧けば、勉強も苦痛ではなくなり、調子が出るものです。合格した時の自分の姿を常にイメージして下さい。私自身も、合格したときの自分の姿をイメージして勉強しました。  
       Your dreams come true.


















【2.技術士試験受験申込書の記入について】
(・・旧制度のため、読み飛ばしてOKです。)

技術士の試験を受けるためには、受験申込書を記入しなければなりません。申込書の中に2次試験調査票があります。私はこの調査票の書き方が合否に大きな影響を与えると思っています。

私が技術士コンサルタントとします。全く面識のない人から仕事を得るためには、「私は、今までのこのような業務履歴や業績があります。このように素晴らしい実績等があるので、ぜひ仕事を私に委せてください。」とクライアントにアピールするでしょう。

この調査票はまさしく、自分をアピールする重要書類です。記入については「クライアントが仕事を頼んでみようかな。」と思わせるように書く必要があります。(試験官が興味を持つように書く。)

★業務履歴については、自分はこんな素晴らしい仕事を長期間しており、専門分野においては知識の経験も十分あることをアピールすることが必要です。

★主な業績については、業務履歴に対応した業績を記入しアピールする必要があります。
「私は、このように素晴らしい業績が沢山あります。」という気持ちで書きます。5行書く欄があり、出来る限り全て埋めることがポイントです。

仮に私が技術士の試験官だったとします。私は、主な業績の欄を空白にしている受験者に対しては、大幅減点するでしょう。コンサルタントの基本姿勢に欠けるからです。
「業績がゼロの人に、誰が大金を出して仕事を委託するでしょうか。」
仮にその受験者が筆記試験で大変素晴らしい論文を書いたら、一応筆記試験は合格させるかもしれません。しかし、口頭試問においては業績等について鋭い質問を浴びせます。主な業績をうまくアピールできたら合格、アピール度が低ければ不合格にすると思います。












【3.業績論文について】

おそらく、技術士試験で受験者が一番勉強法で悩むのが業績論文の書き方と思います。
電気・電子部門は受験者の数が少ないので、他の資格試験のように市販の問題集や参考書は、ほとんど出版されていません。模範解答なんて有りません。

どのような業績論文を書けば高得点を貰えるのか・・??

受験者として心配や疑問を持つのは当然です。「頼れるのは自分自信だけ。」というのが現状でしょう。模範解答はありませんが、高得点をとれるルールは存在します。

次に私の業績論文に対する考え方を述べます。

{業績論文に対する私の考え}
@試験官の立場を意識して書く。
論文を採点するのは試験官です。試験官が論文の内容に興味を持ち、最後まで読んでくれるように書くことが重要です。

試験官の大半は会社等にお勤めで、日々多忙な生活送られていると思います。夜間や日祭日の貴重な私時間を割いて机に座り、分厚く積まれた受験者の論文を読んで採点されていることでしょう。

直筆で書いた文は、ワープロ文と比べると大変読みづらいものです。論文試験は受験者も大変ですが試験官にとっても大変です。
このような状況で、意味不明で脈絡のないだらだらした文、インパクトがない文、自己主張が感じれない文、超専門的で内容が全く理解できない文等は読みたくないのが当然でしょう。

試験官だって人間です。嫌気がさして、そのような論文は最後のページまで読まず、不合格の箱に投げ入れてしまうかもしれません???。

うわさ話だから真実のほどはわかりませんが、試験官は「指定枚数を書いていない受験者の論文を見るとホットする。」と聞いております。その理由はお分かりと思います。

これらを避けるためにはどうすれば良いか?、
指定枚数を書くのは当然ですが、試験官の立場に立って論文を書くのが大切と思います。

文字は丁寧に書く。表や絵を多用し、理解し易く読みやすい論文にする。結論を先にぶつけて、理由は後で述べる。その他色々と考慮する事項がありますネ。

試験官を無視した論文は絶対に書かないことです。

A業績論文の構成=ストーリー展開
受験者はあくまでも業績論文物語の主人公でなければなりません。(脇役では合格できません。)
自分の経歴・業績から演技できるテーマを1つ選び、男優(又は女優)になりきって、下記のようなストーリーに沿って熱演する必要があります。
自分の経歴や業績をねつ造することは絶対にいけないことです。しかし、ストーリーに沿うように、少々薄化粧することは戦略上必要だと思います。
場合にとっては厚化粧も必要になるかもしれません。業績論文では如何に男優(又は女優)になりきって熱演できるか否かで合否が決まると思います。

物事には光と陰、山と谷のように相反する面がある。光があるからこそ陰が生じ、立体感が増しますし、谷があるからこそ、山の高さを際立たせるものです。

失敗談や苦労談は論文の必須事項です。苦労や失敗があるからこそ業績が引き立ちます。
テレビ番組においても、波瀾万丈の人生があってこそ視聴者の注目を集めるものです。

しつこいようですが、業績論文の主役はあなたです。男優(女優)になりきって、あなたの波瀾万丈の業務業績を800文字用紙5枚に表すことです。

順風万帆では視聴者(試験官)は納得しません。大波、突風、嵐を途中に入れることを忘れずに!

以降、野球の喩え話でストーリーの構成を説明します。

(1)自分の立場及び業績の説明
「私はZチームの野球選手で投手です。今期は完全試合を2度達成し、チーム優勝に多大な貢献をしました。」(最初に剛速球を投げて、試験官の目を引きつけます。自己の実績を強烈にアピールすることです。)

(2)問題点の提示
「以前は、スランプや故障で心身共ボロボロの状態であった。2軍の無名選手であり成績は最悪であった。酒やギャンブルに溺れ、廃業寸前であった。」(このように苦労や失敗談を具体的に述べ、日陰や谷の部分を前面に出す。)

(3)解決策の提示
・上記の様なスランプ状態が長期間続いたが、これが人生最後のチャンスと悟り、死ぬ気でトレーニングを再開し、精神力と体力を鍛えた。努力を重ねることにより、勝利が勝利を呼び、今期このように素晴らしい成績が残せた。(血みどろの努力を重ねた苦労話を具体的に述べる。)

(4)業績の評価
・今期の私の活躍は15勝10セーブ4敗でリーグ1位の成績であった。Zチーム優勝に大きく貢献したのは当然であるが、先発当番時の観客動員数は目を見張るものがあり、少年から大人まで、数多くの野球ファンを開拓した。(素晴らしい成績を具体的に明示する。)

(5)今後の課題・展望
今期は満足する活躍ができたが、他チームの強打者が私をマークして新打法を研究している。
来期も同等以上の成績を残すためには、より筋力を強化して今以上の剛速球を投げることが必要である。また新変化球もマスターする必要がある。(自分の業績を客観視して、自己満足することなく今後の改善点や展望を述べる。)










【4.知識論文について】

知識試験、教養試験について

【知識試験・教養試験が最後の難関】
技術士の筆記試験で、午前中の業績論文は毎年同じ様な出題傾向であり、受験前に十分前準備ができます。また時間も5枚で3時間与えられているので、昼の部と比較すると時間的に余裕があります。前準備さえしっかりやれば高得点を得られます。

しかし問題は午後です。午後の知識試験・教養試験では時間の余裕は殆どありません。問題数も多く、出題範囲も広いため、多くの受験者が午後の試験でつまずいているのが現状でしょう。

一番最悪な状態は、指定枚数の論文を書き終えなかった時です。
私の回りには、多くの技術士がおります。これらの人たちは、受験時に指定枚数をすべて書いたそうです。(私の回りには、指定枚数を書かないで合格した人はおりません。)
難関突破のためには、指定時間に指定枚数を書き終える「ペン力」&「即応力」を身につけることですね。













【5.問題分析】
(・・・電気電子部門のみですヨ)
私は午後の問題内容は次の3つに分類されると思います。
@過去の問題のアレンジ版
A電験2種(又は1種)の過去問題のアレンジ版
Bトレンディーな問題

@の補足説明
電験と同じく、技術士も過去に出題された問題は必ずチェックし勉強しなければなりません。
表現を少しアレンジして、本質的に同じ問題が繰り返し出題されています。過去問題を勉強していれば、合格に大きく近づけます。

Aの補足補足
電気・電子部門の選択科目である発送配変電や電気応用の問題は、電験2種の過去問題アレンジ版が多く出題されています。電験の知識がある方は大変有利と思います。電験の知識が無い方は、電験の勉強をお勧めします。

Bの補足
時代にはホットな話題が常に存在します。ちょっと前まではPL法、マルチメディア、地球温暖化、CO2問題、オゾン層問題、最近はeコマース、ブロードバンド、ユビキタス、その他IT用語を多く耳にします。
ホットな話題は、必ず出題されています。自分の専門分野や社会生活に関係のあるトレンディーな話題はチェックし、予想問題を立てて勉強する必要があります。

















【6.まとめ】

午後の部の攻略法は、上記3分類の問題傾向を十分に考慮した勉強を行い、ワープロでなくペンを握り、短時間で、はっきり、すっきり、自分の意見をまとめ上げる訓練を積み重ねることのみです。

追記
>何か特別な勉強をしましたか?

私は、特別な勉強は何もしていません。
自分の頭の知識をペンで素速く出力する訓練を繰り返したのみです。

わたしは、字が大変下手で漢字もあまり知りません。(最近はワープロをよく使うため、漢字は読めても書けません。トホホ〜)

試験官が論文を最後まで読んでくれるかどうかが常に心配でした。

私の先輩で、技術士の方がおられます。その方の直筆の文を読んだときほっとしました。私以上に字が下手でした。その時「この字で合格できるのなら、私だって合格の可能性がある。」と感じました。

特に努力した点は、字は下手だけど丁寧に書く訓練をしたことですね。