スキー100年目の革命Q&A

99 あとがき


初級スキーヤー向けに上達のコツを書いたこの本は、2つの大きな出来事をサブテーマにしています。ひとつは新型の平易なカービングスキー板への交代劇(1998〜)、もうひとつはこの前の平成バブルの巨大スキーブーム(1986〜1995)です。2つの出来事はニアミスしただけで、時期が重なっていません。重複期間がなかったので、まねいた損失は甚大です。

もし仮に、ブーム前にすでにスキー板が一新されていれば、史上最も幸福なスキー天国を大勢が喜んだでしょう。現実は逆で、ブームでスキーに入門した国民は、古来の旧式スキー板の想定外の難しさに閉口して退散し、今の「スキー嫌いブーム」に至ります。ブームが急失速、終了して3年たち、初級スキーヤーがすっかり去った後に、やっとスキー板の交代が始まりました。

過去にも、スキーブームは何度も起きました。未来に来る次のブームもまた、新世代が中心となるでしょう。そのブームは、史上初めて平易なスキー板でむかえることになります。その時の指導者は、今スキーを続ける子どもたちでしょう。その日のために、20代スキーヤーの空白を少しでも回復しようと、スキーが以前とは別物に変わったと、本文で何度も強調してきました。

ところで、スポーツの動作を活字で伝えるのは難しく、「地球にではなく斜面に垂直に」とか「板を回さずローリングする」など、光景を思い描きにくい表現も混じりました。説明イラストを多数付ける予定ながら、手つかずです。もっとも、説明を読むよりは体験する方が早いかも知れません。とりあえずゲレンデに出向いて、見たこともない「しゃもじ型スキー」を試してはどうでしょう。何しろ100年以上ぶりのスキー板の革命が起きているのに、ゲレンデがすいているのですから。


●参考文献
『スキーの科学』 (清水史郎著 光文社 1987年)
『最新スキー技術百科‘95』 (学習研究社 1994年)
『日本スキー教程』 (財団法人全日本スキー連盟 1986年版、1994年版)
『86世界のスキー用品』 (全日本登山とスキー用品専門店協会 1985年)


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