【ウエーバーキャブレターの怪】


2007.01.13UP
「ん?何故?」「なんだこりゃ?」と悩んだ事例をお伝えしましょう。


それは、最近エンジンをフルオーバーホール(O/Sピストン・ハイカム等交換)したお客さんのMini。
3日でナラシ(800km!走破)を終え最初のOIL交換に来店された時、発覚したのだ。

ナラシを終えた事でエンジンの調子を確認する為あてくしが乗り込み、エンジンを掛け、アクセルをアイドリング状態から徐々に回転を上げていくとある回転から急にエンジンが吹けてしまう。
アクセルを踏み込む量を意図的に変えている訳ではない。アクセルに置いた足はパーシャルでいきなりその症状は現われるのだ。
アクセルを踏み込む足は一定の踏量での現象なのです。じわーっと2000rpm・・・・3000rpm・・・・4000rpm・・・4200rpmになると突然足をすくわれた様に何かのスイッチが入ったかの如く5500rpm位まで一気に、勝手に回転が上がってしまうのです。    なんじゃこりゃ?


リンケージの引っ掛かりか?
確認するが何処も引っ掛かりは無い。

リンケージそのものが不良品の可能性もあるので別の物と交換してみる。
が、改善されない。

では、キャブレター本体のシャフト不良か?
これも確認するが何処も引っ掛かりは無くスムーズに動く。

アクセルペダルやワイヤーなどにも引っ掛かる様子は見られず、エンジンルーム側から手動でキャブのシャフトを動かし(リンケージは外した状態で)、先ほどの状況を再現すように試してみると全く同じ現象が現われる。やはりスイッチ入るように勝手に吹け上がるのだ。(おやおや?ひょっとしたらキャブが悪さしているのかな?)

キャブレター本体が悪い可能性もあるので、ひとまずはキャブを交換し様子を見ていただくことにする。



数日後に再来店されるまでに問題箇所の追及をしなくてはならない。
●キャブがおかしいのか?(エンジンO/H前までは気にした事がなかったと言っている)
●アイドルジェットからメインジェットに切り替わるのが4200rpmか?(あり得ない、だとしてもアノ奇妙な吹け上がりは起らない)
●点火系?
●燃料系?
(上記2点とも可能性は低い。あの回転からいきなり火花が沢山散るのか?燃料がドバッと噴射されるのか?インジェクションでもTURBOでもなんでもないのにやっぱりあり得ない)
●エンジン内部の組みつけに問題か?(そんな特殊なエンジン作ったことないぞ!)

と、悩みは尽きないが、とっても怪しい物のめぼしが付いたので代替品を見つけそいつを今度交換してみることにする。










コレが第一容疑者のインテークマニーホールド。
イギリスJANSPEED製のショートマニだ。





一見すると普通のマニに見えるが、ポート内を覗くとそこには左右ポートを連結するバイパスホールが見て取れる。
このバイパスホール、その昔からMini独特の5ポート(インテークは2ポート)の難点を補う為に、インテークポート左右をマニの箇所で連結し、互いの吸気脈動を利用して吸入効率を上げようと(均一化しようと)の目論見で使われていたオーソドックスな手法だ。



今回の一軒ではコイツが一番怪しい容疑者であったことから、当店が一番使い慣れているJanSpeed製(こちらはバイパスなし、国内のジャンスピード@兵庫県尼崎市)のマニーホールドへと交換してみたところ、
見事に改善されたのでした♪

では、何故に改善されたのでしょう?何故にあのような現象が現われたのでしょうか?

推測ですが
●今まで使用していて問題の無かったマニ+キャブのセットですが、O/H後は以前と比べて排気量UPや圧縮比UPやハイカム導入によるリフト量・タイミング等すべてが変わってきた為、インマニを通過する混合気のスピードや効率も変わってしまった。

●故に、脈動を利用して効率を上げようとの趣旨で設けられ、今まで問題の出無かったバイパスホールがハイフローになった今回のエンジンでは逆に抵抗になっていた。

●その脈動が低回転〜中回転でやたらと効き目が出て、壁のような抵抗を作りやがて4200rpmになるとその壁の抵抗のようだった混合気の塊もろともシリンダーヘッドのインテークポートへ一気になだれ込み、アクセルを踏まずしても勝手に回転が上昇する現象が現われたのだろう。



よくよく思い起こしてみると、バイパス効果を狙った溝付きインシュレーターを装着した時も今回と同じ症状ではないが、なにかイマイチ調子が悪かったような記憶がある。

また、以前経験したことと今回の件と因果関係があるのか解らないが、ランオンが消えたのもパイパス無しのものに変えてからだ。
今回のマニ変更で、変更前に出ていたランオンはすっかり聞こえなくなった。
前途のインシュレーターの一件でも同じ結果だった。


う〜ん、ランオンと言えば、SUツインキャブのお客さんのも直らないんだよなぁ。SUのマニもバイパス殺してみるか?


悩みは尽きない。。。(ーー;)




※今回はたまたま色んな条件(マニの形状・長さ・効率/排気量アップ/圧縮比アップ/ハイカムによるタイミングとリフト量の変化/ポート〜バルブ〜燃焼室までのフローの変化)などが重なり、このような症状が現われたものと思われます。パイパス付のマニが一概にすべてこのような症状になるとは限りません。

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