仕掛けについてのお話し
前ページは基本的な道具の選び方のアドバイスでしたが、ステップアップして、基本的な仕掛けの作り方や釣り場によって仕掛けをなぜ替えて行くかなどについて

イシダイ仕掛け・各種ナマリ

天秤式2種類   ナツメナマリ中通し式  平型真空ナマリ式  真空ナマリ式

イシダイ針について

 伊勢尼型、宙釣り型、南方型など数種類があり、エサの種類や狙うイシダイの大きさによって号数、型を替えている。一般的にイシダイハリといえば、伊勢尼型で黒ハリ、白ハリがある。赤貝など数珠掛けにするエサの場合は、軸の長い宙釣りハリを主に使用するが、伊勢尼型でも問題はない。 ハリスワイヤーとの結び方は、首振り、固定結びがあり、現在は首振り結びが主流となっている。 ハリの大きさは伊勢尼型で標準15〜17号を使用し、宙釣り型は16号前後である。大物を狙う場合は道糸、仕掛けはワンランク上を準備する。
 ワイヤーを結ぶ穴の部分をと呼んでいるが、軸より幅が広くなっており数珠掛けエサの滑りが悪い時がある。私は角を削って丸くして滑りを良くしているが、現在は細い耳の製品も発売されており便利である。首振り結びをする場合は、耳の角を丸くヤスリで削ると首振りの自由度が増す。 端末ワイヤーの固定には手巻き、スリーブ止めがあり、手巻きでは順巻き、逆巻きの2つの方法がある。ここで注意する事は、ワイヤーがどの方向に撚っているのか確認する。

ワイヤーについて

瀬ズレワイヤーハリスワイヤーの二種類を使用する。基本的に瀬ズレの方がハリス用ワイヤーより1番手太めめを使用する。 ワイヤーの種類は多く、素材として鉄やステンレスなどがあり、ステンレスは錆に強いがポイントに残りやすく場荒れの原因となる。しかし、合金のため、金属の配合の違いによって、中には錆びる性質を持つステンレスもあり、この素材を使って釣り用の錆びるステンレスワイヤーを作っているメーカーもある。 
 種類は同じ太さでも7本〜49本ヨリまであるが、ヨリ数が多い程、しなやかさが増してくる。ただし、手巻き出来るのは7本ヨリだけで、その他はダブルクリップなどのスリーブ止めを使用しなければ、バラついて緩んでしまうことが多い。そして注意しなければならない事は、ヨリ数が多くなれば1本のフィラメントの太さが細くなって弱くなり、キンクを起こしやすくなるため、こまめの点検が必要である。

   ワイヤーの番数は道糸などの号数と逆で、数値が小さくなる程太くなる。

       宙釣り用瀬ズレワイヤー

 @瀬ズレワイヤー
 標準は7本ヨリ37番を1・5〜2b
 
7本ヨリを使用するのは、ワイヤーにオモリを通すため、柔らかいワイヤーでは、逆に仕掛けが絡んで使い辛い。 上にクレーンサルカン1〜1/0号とハリスワイヤーを止めるラセンサルカン(コークスクリューサルカン)やパワーロックサルカンの1〜1/0号オモリ止めクッションゴム又は2号程のオモリで1セット

Aハリスワイヤー
 標準は7本ヨリ38番を30〜40a

  私は食い込みが悪い時は、19本ヨリ43番(7本ヨリで38番相当)やSilky19・37本ヨリ38番などを使用することがあるが、これ以上柔いワイヤーはイシダイの歯形が判りずらく使いにくい。ただし、クチジロなどを狙う場合は、ワイヤーを太くするためしなやかさがなくなり、食い込みが悪くなるなどの理由で、各メーカーから42×19本ヨリや37本ヨリの45×37番(7本ヨリ37〜36番相当)などの柔らかいワイヤーが発売されている。

オモリについて

 基本的にオモリの大きさを換えるのは潮の動きやエサの大小、エサ取り対策、遠投性のなどの要素である。通常、15〜40号までを仕掛けの種類によって換えていくが、標準は20号前後で、捨てオモリ式の場合は25〜40号の遠投性の良い少し重いナマリを使用する。もう一つの要素がイシダイ竿の穂先負荷を考慮する事を忘れてはならない。 種類は真空ナマリ、六角ナマリが主に使用され、他にナツメ型、オタフク型などがある。

真空ナマリにはポイントの地形、潮流に応じて各種のナマリを使い分ける。後は好みの問題?でしょうね

 

ナツメナマリ仕掛

 真空ナマリは手持ちの宙釣り、底釣りで使用され、中通しの穴が大きいため、イシダイがアタッた時、オモリの抵抗がなく、ワイヤー仕掛けの送りがスムーズにできて、イシダイに警戒心を与えにくい。また、食い込みが悪い時など2〜4bも送らねばならない時にもスムーズにイシダイの食い込みに付いていく。 
 真空ナマリに
根掛かり対策として、上部にゴムキャップなどを付けると根掛かりした時に、道糸を張ったり、緩めたりすればゴムの弾力で根掛かりが外れやすい。 
 私が使用している真空ナマリはエサ取りが少ない時期は20号の
丸型や仕掛けが落ち着きやすいを使用し、エサ取りの多い時期は、早く沈めたいため25号、ガセウニ使用時に潮が速い時は平型の30号を使用している。ベテランになると抵抗の少ない10〜15号を使用する底物師もいるが、潮の流れに乗せて狙いのポイントに落ち着かせるテクニックが必要でビギナーには難しい。

 イシダイ釣りで大切な事は仕掛けを打ち返し、潮の流れを読み、ポイントの底の状態を早くつかみ、自分なりのイメージを描いて、狙いのポイントにエサを落とす事がイシダイ釣りの一番大切な要素です。

そのためにも最初は操作しやすい20〜25号のナマリを使用するよう薦めます。

 六角ナマリは主にテンビンなどを使用した置き竿の捨てオモリとして使用される。ガゼウニなど大きいエサは海中で水の抵抗を受けやすく、潮で流されて自分のイメージ通りのポイントに入りにくいため、真空ナマリより重めの25〜40号を使用する。 現在は六角ナマリより根掛かりの少ない少し半ソリで平型になったナマリも使われ始めた。

 ナツメナマリを中通しした仕掛けは、スマートで水の抵抗や根掛かりが一番少なく、潮流に左右されにくい利点があるが、真空ナマリに比べて瀬ズレワイヤーに中通しするためワイヤーの長さが2b程であり、この範囲しかナマリが動かず、イシダイのアタリに対しそれ以上はナマリごと送っていくため、食い渋る時は、そこでアタリが止まってしまう欠点がある。食い渋り始めたら、送りのスムーズな真空ナマリに換えている。

 

その他の用品

クレンサルカン
 
クレンサルカンは瀬ズレワイヤー上部と道糸を接続するもので1〜1/0号が一般に使用されている。輪の根元の少し大きくなった部分を胴体部分で機械的にプレスして回転するようにしてあるため、一度使用したものはこの部分に潮が入り、錆びて強度が低下し次に使用する時、回らなかったり、抜けたり、折れたりするため、一度使用したものは十分に洗い、点検しておかねば、イシダイを掛けた時、後悔する羽目になる。仕掛けの強度の安心感を得るために、それ程、高価な物ではないので、使い捨てが無難である。

コークスクリュー(ラセンサルカン)・パワーロックサルカン
 
スクリューサルカンはラセン状になった部分にハリスワイヤーのチワワを通す。ガゼウニなどの予備仕掛けをスムーズにセットでき、便利であるが、ワイヤーが固定していないため、途中で絡んだりするトラブルもある。 逆にパワーロックサルカンは固定できるためサルカンと一直線になる利点があるが、セットが少し面倒である。

テンビン
 
L型、V型、シーソー型テンビンなどがあり、L型は主に捨てオモリ式に使用する。シーソー型、V型は底やカベに仕掛けをハワセる時に使用する。どの型を使用するかは釣りスタイルの違いで各人の好みの問題である。

スリーブ
 
19本ヨリ以上のワイヤーや瀬ズレ用7本ヨリナイロンコーティングワイヤーなどの結束に必要である。一般的に結束力の強いダブルクリップS・SSがイシダイ仕掛け用に使用されている。Sはワイヤーの37〜36番、SSは38番に使用するが、サイズが異なると結束力が落ちて、ワイヤーが抜ける事があるのでよく確かめて購入する事。ダブルクリップを締めるハンドプレッサーはスリーブと共に発売されている。

 スリーブを圧着する時、スリーブを圧着するハンドプレッサーの溝の部分に斜めに入れたり、横向きになったりしていると、スリーブが潰れて、圧着力が極端に落ちてしまいます。また、あまり強く圧着するとワイヤーが潰れてこれも圧着力が落ちるため、適度の締め付けをすること。

 

独断と偏見に満ちた釣りバカの独り言

@ワイヤーの結び方に付いて

 少し固い話になるが、ワイヤーは金属であるため、その金属の分子(原子)配列は一定方向を向いている。これに炭素分子やその他の分子が結合して、ハガネのように硬い物から柔軟な金属までいろんな特性を示している。 釣り用に使うワイヤーの単線は真っ直ぐで分子配列は一定方向である。ステンレス素材でも錆びる性質の素材を使えば海底に残る心配は少なくなってき。このような鉄製、合金製の単線を数本〜数十本ヨリ合わせてネジレつけてヨリ合わせたり、0.5mm程の中芯に細い単線を19・37本撚って製品にしたりしているが、一旦、ネジレの方向性を付けた金属はヨレや逆のネジレが生じると分子間の結合力が弱くなり、キンク破断を生じる。 つまり、ワイヤーはなるべくネジレの方向と逆にしない結束方法がベストであり、また、スリーブ止めのように圧着して結束する方法もある。 首振り結びで作るチワワ結びは輪が大きい程、ネジレは少ないが、あまり大きくすると使いづらいため、小さくしてある。破断に関しては、2本を撚ってあり、ネジレで1本の強度が落ちても2本合わせれば強いので問題はない。一般的にチワワを作る際、ワイヤーを1回結んで輪を作り、その中にワイヤーをネジレた方向に2回通して硬い輪を作っている。これだと大型のイシダイの引きにも輪がつぶれず丈夫であるが、欠点として輪が大きく、ワイヤー自体は3回ネジレる事になる。
 
私はビギナーの頃、この事に疑問を感じ、ネジレを少なくするため、1回通しでも良いのではないかと考え、それ以後、輪の中に1回通しでチワワを作っている。しかし、2回通しに比べ輪がつぶれ易い欠点があり、これを補うため、瞬間接着剤や塗料で固めて、輪を硬くしている。
 実際に9`を越すクチジロや男女サイズのイシダイまで数多くのイシダイを釣ってきたが、チワワ部分から切られた事は一度もない。それよりも問題なのが、耳穴の部分や外側の角の部分で、ここが鋭角になっていると破断しやすい。そのため、耳の部分をヤスリで削り、丸く加工している。しかし、昔の製品から比べると同じイシダイハリでも格段に良くなっている。私は主にがまかつ宙釣りイシダイとオーナー手砥石鯛針を使用しているが昔の製品は耳の部分に加工のバラつきがあったが、現在は丸く加工されており、気にしなくても使用できる。イシダイハリも年々進化を遂げて完成の域に達している。

Aハリスにナイロンやケプラーを使用しない理由 

 九州の釣師は、ほとんどの人がワイヤーを使用しているが、その理由は瀬ズレに強く、まだ、十分にワイヤーでもイシダイが釣れるという簡単な理由である。そして、食い渋る時はテクニックでカバーして釣果を得ている。その持てる技を最大限に生かして、食い渋るイシダイを征服した時、イシダイ釣師として最上の喜びである。日本人は難しい事を成した時に至上の喜びを感じる人種であろう。特に九州人は頑固一徹でイシダイ釣師は特に典型的な例である。
 イシダイ釣りは独特の世界で、釣果だけを求めるならいざ知らず、自分の信じる仕掛け、技などのプロセスを重んじるている。近年流行の防波堤などからのガゼウニをエサとした置き竿、遠投釣りは、どちらかというと、投げ釣りのジャンルにあり、本来の攻めるイシダイ釣りとは違うと感じているイシダイ釣師は多いと思われる。 それと同じようにナイロンやケプラーを使用してどんなに釣果を上げても自慢出来ないような世界である。 実際、ナイロンやケプラーを使用すれば、イシダイの警戒心が薄れ、釣れるのも事実である。しかし、ナイロンはキズ付きやすくハリスに使用すれば常にエサの動きと共に海底の岩や掛け上がりになっているカベの岩に当り、傷ついている。

     ナイロンハリスを使用する時は細心の注意を払い、使用すべきである。

ベテランならこの事を十分に判っており、使用する人もいるが、ビギナーにはイシダイが釣れるからといって使用して欲しくない。まずは、基本をマスターしてから徐々に自分の世界を築いて欲しい。私のささやかな願いである。