男女群島における攻めの釣り

男女においては、典型的な南方宙釣りが主流で、エサは赤貝が用いられています。
攻めの釣りの魅力は何といってもダイレクト感で、仕掛けの投入前アタリ送りアワセブリ揚げるまでのピーンと張った緊張感が底物師としての喜びで、心をくすぐり、そんな気持ちがたまらなく、のめり込んでいくのではないのでしょうか。
 手持ちで攻める魅力は食い渋るイシダイを誘ったり、抵抗を掛けてイシダイの好奇心を誘うような、テクニックを駆除してイシダイを征服した時の気持ちは格別です。 
 アタればイシダイかも知れないという状況は他の釣場では考えられず、男女のフィールドは意図も簡単に与えてくれます。速攻のためのエサとして柔らかい赤貝はピッタリでガンガゼやウニを使った置き竿釣りは、男女ではあまり見受けられません。

 

 赤貝の使い方について

 赤貝については、加工の仕方によって、エサ取り対策が出来ます。

@エサ取りの少ない春先や冬場では、ムキ身を海水で軽くシメて使用する。

A餌取りが多くなってくる五月頃からはアラ割りを使用

Bその後、ムキ身の塩ジメ⇒アラ割りの塩ジメ⇒ガチガチに塩ジメしたもの

順次使用して行ければ男女ではある程度、季節を通じて使用可能です。しかし、五月の後半からポイントにイスズミ等が居着き、全く使用出来ない場所もあり、予備餌として、サザエやカニ、ウニ類を準備して行く方がよいでしょう。
 塩ジメは小さなザルに剥いたムキ身を洗わずに入れ、多めの塩をまぶしてそのまま放置しておくと水分が抜けるので冷所に保管(クーラーなど) ガチガチにシメる場合は塩で水分が抜けた物を更に上から塩をまぶして放置しておくとガチガチに締まる。
 赤貝を早く割るコツはありません!。1個1個割りながら、今日のイシダイ戦略を思うのも、イシダイ釣りでは大切な要素だと思います。

 コマセの場合は袋から少しずつ出して木づちで割ったり、赤貝ネットに半分入れて平らな場所で広げて一気に木づちで割る方法もあります。その際、下にドンゴロスを引いて置くと、赤貝の汁が飛び散りにくくなります。
 コマセの打ち方は水深の浅いポイントでは、細かく砕き、水深の深いポイントでは潮の流れを読みながら、荒割りを打つのがセオリーです。ただし、乗っ込み期は浅棚に集中してコマセ、イシダイを寄せる方が数釣ができます。

数釣りをするためのコマセの必要性

 男女に釣行する釣人の目的は一発大型のクチジロの魅力と数釣りができる期待を持って来ています。

特に数釣りは他地域の釣場と大きな違いで、コマセの打ち方も変わってきます。「コマセの量で石鯛の数が決まる」と昔から男女では言われてきました。 男女ではコマセの重要性の認識をもっと持つべきで、せっかく寄せたイシダイもコマセを少しでも切らすと1、2枚釣ると後が続かず食いが止まってしまいます。

上物釣りに例えるなら、付けエサだけで釣るのと同じ事が言えます。イシダイ釣りも上物釣りと同じように絶え間なくコマセを利かせながら釣る事が必要です。ただ、遠投釣りの場合はコマセが届かず、ガゼウニの様に最初に数回、荒割りを数珠掛けにしてシャクり、ポイントにコマセる方法もあります。

クチジロらしきアタリがあった時

 大型のクチジロやイシダイのアタリのパターンは幾つかがあり

@モゾモゾ・コツコツの後に一気に走り、竿を絞り込む

Aズーン・ズーンと穂先を下げた後、ファーッと戻る。これを繰り返した後、一気に走り、 竿を絞り込む。

この様なパターンが多く、その時、竿の角度は極端に穂先を下げた角度にならないようにしておかないと一気に走るため、釣り座が高い場合は少し余裕が有り、竿を立てる事ができますが、釣り座が低い場合は、竿が一直線に伸びきり、体制が取れずに横に走られバラシの原因になります。
そのためにも道糸をアタリに合わせてリールから出して竿を水平下30度くらいまでの範囲に納めるようなテクニックも必要です。又、ドラグも少し緩めておくと体制が取りやすくなります

アワセについて

 アワセについては釣人それぞれです。私の場合は独特な方法ですが、紹介します。

 私は基本的にアワセを入れません。

  その理由は魚が突っ込んで行く時、道糸やワイヤーに大きなストレスが加わる。大アワセを入れると一瞬、互いが引っ張り合い、仕掛けに倍増した大きなストレスが加わるため、沈み瀬などに触れたら一発で切れやすい。又、針も歯に掛かった場合は伸びたり、折れやすくくなるというような考え方でアワセを入れない理由です。感覚的には魚が竿にズーンと乗ったら止めるだけ。 ただし、アワセないのではなく、イシダイが走る時に竿を止めているという表現がピッタリでしょうか。この方法だとほとんどが地獄にハリが掛かっています。 私も昔のグラスロッド時代は竿の胴のパワーがなく、アワセを入れていましたが、カーボン竿時代になり、パワーと反発力が素晴らしく、アワセを入れる必要がなくなりました。

            男女群島特有の釣り方

 急潮での釣り方、魅力   

 男女群島でイシダイの超A級ポイントと呼ばれる所は、急潮の走る場所が多く、急潮を制することが釣果を左右し、男女を制すると言われています。

 乗っ込み期に浅棚にコマセを利かせてイシダイの数釣りを堪能するのも一つの男女での楽しみ方ですが、急潮の中、僅かな潮の弛みや舞い込みを見つけて、そこに仕掛けを吸い込ませて行き、カベにハワセながら、割れ目にいるイシダイをピンポイントで探って行き、一枚、一枚を抜いて行くという技はなかなか慣れないと難かしいのですが、慣れるとこんなに面白い釣りはなく、ハマってしまいます。 こんな釣りができるのも、男女の魅力で、たくさんのイシダイがカベの割れ目や窪みなどに潜んでおり、男女の魚影の濃さを物語っています。
 男島のマルタ瀬、河野瀬、トンガリ、中ノ島北側のカベ、中尾瀬、SOS、帆立岩、トウフ立神、下赤瀬など激流の中にあるポイントは潮が速い時は釣にならないと思いがちですが、こんな時がチャンスで一度チャレンジすると面白いと思います。そのための仕掛けなどは竿 先調子で硬調のもの。穂先が柔らかいと鉛を最低で25号以上を使用するため、急流の中では穂先が限界まで曲がった状態になり、操作性が極端に悪く、ピンポイントで探れない。 極端な時は真空ナマリ25号を2個付けて探る時もあり、ナマリが軽いと道糸に加わる急流の抵抗で仕掛けが浮いてしまいます。

 急流での釣りの面白さは、ピンポイントで仕掛けを投入しなければならないという難しさで、これを制し、一枚を抜き上げた時は石鯛釣師として満足感があり「ヨシッ!」という気持ちにさせます。例えば佐藤瀬のポイントは下げ潮時が釣りやすいのですが、上げ潮時に左前方から押し寄せて来る潮に仕掛けを乗せ、足下の水深15b程に有る1b程の割れ目に落とし込むと30b程入り、ここでアタリがでます。

 この様に、イシダイ天国の男女群島でいろいろな釣りを楽しんで下さい。

男女でのコマセの調達について

男女にはたくさんのフジツボが付いており、コマセとしては最高のものですが、一時期は主なポイントではほとんどが丸坊主状態となり、自然破壊につながり、生態系が変化して行くという危惧感が強くなり、釣人自身が自粛し始め、現在はほぼ回復しています。
 釣りは自然との対話であるため、ゴミ問題、アンカーボルト問題と共に自然破壊を禁止して行かねばならないと思います。

 余談になりますが、私も二十数年前は男女群島などで、カキ落し棒でフジツボをドンゴロス七〜八杯は取って、付けエサ、コマセを現地調達していましたが、時代の流れと共に、自然破壊につながるため、カキ落とし棒は倉庫の奥に眠っています。