1992年4月に出来た現在のトイレも18年の月日が経ち、沢山の登山者に利用されてきました。ポットン式でくみ取りが必要なトイレを出来るだけ快適で、環境にも優しくと考えて作った現在のトイレでしたが、自然や環境負荷に対する考え方の変化や、登山者の意識の変化に対応すべく、ここ数年山のトイレのあり方を研究してまいりました。他の山岳地(北海道や九州など営業小屋の少ない)のトイレ対策や、より環境に優しいトイレの現状について、また資金や電力、管理方法も調査してきました。
 このたび西日本鉄道(株)の創立100周年記念事業の一環として、現在のトイレをバイオトイレに改造する為の資金の寄贈を頂き、2008年6月より工事に着手する事になりました。出来るだけ詳細をアップして行きたいと思います。

   ○ 西日本鉄道(株)より発表された寄贈の文書です。

西日本鉄道(株)100周年記念事業
   宝満山に”バイオトイレ”を寄贈します 

 西日本鉄道株式会社では、6月5日、100周年事業の一環として、宝満山キャンプセンターに設置されているトイレをバイオトイレへと改修し、同トイレを竈門神社に寄贈する事を決定いたしましたのでお知らせいたします。
 宝満山は、福岡県太宰府市−筑紫野市−糟屋郡宇美町にまたがる霊峰で、近年の登山ブームに伴い、西日本各地から多くの登山者が訪れています。このような登山者の多い山において、山中のトイレは、登山やハイキングを楽しむ多くの方々が利用する大変便利な施設です。しかし、その便利さの一方で、周辺自然環境に対する負荷の増加が懸念されておりました。
 そういった山の現状を受け、当社では、創立100周年を期に地域との共生、自然環境の負荷軽減に寄与するため、宝満山キャンプセンタートイレの改修・寄贈を行うことといたしました。
 詳細は下記の通りです。

 ◆ 宝満山キャンプセンターへのバイオトイレの寄贈について
 寄贈日     平成20年9月(予定)
           ※ 竣工後の寄贈となるため、詳細な日程は未定です。
 寄贈物     バイオトイレ改造工事一式
 寄贈物内容  排泄物の処理漕に微生物の住む木片チップを入れ、微生物が活発に働きやすい環境を
           作ることで、排泄物の分解処理を促す仕組みを取り入れた環境に優しいトイレです。
 寄贈先     竈門神社
 設置場所   宝満山キャンプセンター
 着工日     平成20年6月
 竣工予定日  平成20年9月
 寄贈額(工事費)     27,000(千円)
 (参考) 現在のトイレは平成4年に西鉄山友会より竈門神社に寄贈したものです。



 ○バイオトイレ工事日程表

  地鎮祭       6月10日11時より
  ヘリコプター荷揚げ1回目 6月16日(仮設トイレ、型枠等)
  現トイレの解体 型枠工事 6月16日〜23日
  ヘリ荷揚げ2回目 6月23日(生コン、材木等)
  生コン養生 6月24日〜30日
  トイレ建物組み立て 7月1日〜15日(2週間の予定)
  3回目ヘリ荷揚げ 7月14日(バイオトイレ、ソーラー等システム関連)
  ソーラー及びバイオトイレ設置工事 7月15日〜30日
  試運転・調整 8月1日〜
  天候に恵まれれば8月10日頃完成予定
  完成次第残材搬出  
  
 6月10日現用トイレの最後の姿現用のトイレ  新しいトイレの完成予想図新しいトイレのパース


   ○ 地鎮祭 6月10日

 6月10日、関係者と施工業者などがキャンプセンターに集まり工事の安全を祈って地鎮祭を行いました。曇り空の下、雨を心配していましたがお陰様で無事に終了しました。
 10時頃より竈門神社神職の指導のもと皆で祭壇の飾り付けを行い、11時より神前に頭を垂れ、玉串を献げ工事の安全を 祈願しました。その後小屋内に於いて御神酒を頂き簡単な料理で直会を行い、工事の手順、日程の確認などを話し合いました。

飾り付けの終わった祭壇祭壇 安全工事を祈って祈願祭地鎮祭 当日の玄関前のツツジツツジ

○ 第一回目空輸 6月16日

  仮設トイレや型枠などの荷揚げを予定していた16日は、曇り空でヘリは飛べそうな感じでしたが、ヘリポートの在る本導寺付近の気流が悪く中止となりました。13時の予定であったので作業にあたる会員はキャンプセンターに止まった者以外は自宅を出る寸前に中止の報を聞きがっかりの様子でした。
 尚 工事中は仮設のトイレを設置致します。が、出来るだけ登山前に用を足される様にお願い致します。


 

平面図
○ 連日の悪天で結局今週はヘリコプターは飛べなかった。16日中止の後19日、20日と予定を入れて頂いたが、水害が出る所も有るような大雨となって中止は止むを得ない。今の時点では24日、又は25日の予定ですが天候次第です。
 報告する事が無いのでトイレの平面図をアップします。
少し 見づらいですが、左からバイオトイレ女性大用、旧式女性小用、バイオトイレ男性大用、旧式男性小用です。
 折角新しいバイオトイレにするのに何故旧式のトイレを設置するのか不思議に思われる事と思いますが、バイオトイレは旧式のトイレと違い機械なんです。電力や温度の不足、オーバーユース、トイレや制御機器の故障などで使用不可になることが予想されます。そんな時にトイレは”使用禁止”では登山者が困りますので旧式のトイレも併設致します。通常の使用はバイオトイレを”大”専用に、旧式を”小”専用として運用する予定です。小便は大腸菌などは含まれておらず、環境に与える影響は少なく現用のトイレと同じ処理(但し活性炭を投入します)を致します。
 皆さん ご存じの久住分かれのトイレは新設された時に古いトイレが撤去され、冬場はトイレ使用禁止になり避難小屋の後ろはちり紙の花が咲いております。以前の小屋裏の汚いトイレでしたが、冬場だけでも使用出来ると良かったと思われる女性は多いと思います。勿論使用後の処理は大変だろうと思いますが。天候が良くなる事を祈ってます。6月21日記


  ○ 梅雨の最中、少しの晴れ間を利用してやっとの事で第一回目のヘリ荷揚げが終わりました。 6月24日

  24日10時からの予定でしたが11時過ぎに事前の偵察飛行を行い、昼食後13時から荷物をつり下げてヘリが飛びました。計11回、約6〜7トンの荷物(仮設トイレ3台、型枠材、足場など)を揚げ15時過ぎに予定の荷揚げを終了しました。
 いよいよ明日からトイレ解体が始まります。登山者の皆さんはキャンプセンターでゆっくりは出来ないかも知れませんし、工事があっておりますので怪我などされませぬ様にお気を付けて下さい。
 仮設のトイレは3台設置されています。青い扉の2台は男女小用専用で、真ん中のオレンジのボックスがバイオトイレで和式のしゃがむタイプです。ドアを開けて、便座の蓋を取って普通にご使用下さい。中を見るとバイオチップとスクリューが見えます。用を足して外に出ますとスクリューが回転しますが、体の位置に依ってはセンサーが働いて用便中に回転を始める事があります。絶対に手を入れてはいけません。例え財布や携帯を落とされましても手を入れるとスクリューに巻き込まれたりして危険です。作業員や管理人に声をかけて下さい。備え付けのトイレットペーパー以外は便器に入れないで下さい。故障の原因になります。

 仮設バイオトイレ空輸バイオトイレ空輸  偵察飛行中の西空ヘリ(ベル412EP)西空ヘリ  キャンプセンター上空でホバリング西空ヘリ
解体されたトイレのログ材ログ材 バイオトイレが収納される場所の型枠工事型枠工事  仮設トイレ オレンジがバイオトイレ仮設トイレ


   ○第2回目ヘリ荷揚げ 6月30日

 悪天の為工事日程が一週間遅れ、30日に生コンのヘリ荷揚げを予定しておりましたが、これまた悪天の為トイレの型枠工事が遅れ、生コンの荷揚げは中止し材木、屋根塗装機材、水タンクなどを荷揚げしました。
 天気予報は29日の午後から回復の予報でしたが、30日の朝まで雨が止まず、その後もガスが取れず10時飛行の予定が結局15時30分に初飛行となりました。6回の飛行で約5トン程度の荷揚げが出来ました。
 尚今後の予定は、トイレの型枠工事が終わり次第ソーラーを乗せる屋根の塗装工事などを行い、7月14日(月)に生コンとシステム機材の荷揚げを行う予定です。
 下界がボーとしか見えないガスった中での荷揚げはハラハラします。ガスが濃くなった時は山頂から小屋が見えない状態であり、パイロットの方のご苦労に感謝致します。 7月1日記

 荷揚げ中のヘリ(山頂より)荷揚げ中のヘリ  ガスって見えないヘリガスの中  荷揚げされた資材荷揚げされた資材


  ○ 連日の雨模様から一転して早々と梅雨明けになり、工事も順調に進んでいます。梅雨明けの6日は下界はカンカン照りの好天でしたが、宝満山は五合目以上は雲の中で非常に蒸し暑い一日でした。
 トイレの型枠工事やログ材の防腐剤塗布は終わり、現在ソーラーを乗せる屋根の洗浄工事が行われています。足場やシートなどが設置されており、ベランダは使用出来ません。又足下が悪く休憩室を使用される時は充分な注意をお願い致します。
 順調に行けば、14日(月)生コン、15日(火)システム機材のヘリ荷揚げを予定しています。暑いのは嫌ですが好天が続くのを期待しております。尚ヘリ飛来中はキャンプセンターへの立ち入りは規制が行われますので、係員の指示に従って頂きます様にお願い致します。 7月8日記

 塗装前の屋根洗浄工事屋根洗浄  型枠工事が終わったトイレ部分トイレ型枠工事  防腐剤塗布が終わり梱包されたログ材梱包されたログ材


  ○ 第3回目ヘリ荷揚げ 7月14日

 前回の荷揚げ(6月30日)で中止した生コン、残りのシステム機材や木材の荷揚げを14日行いました。13日土曜日は午後から雨模様で14日朝もガスって見通しの悪い状況でしたが、予定時間の10時には青空の広がる良い天気になり、テスト飛行の後10時30分より、12回で4.5立米(約10t)の生コンの荷揚げを15時までかかって行いました。荷揚げされた生コンは一輪車とバケツリレーで型枠に流し込まれ、トラブルも無く計算通りの容量で型枠に収まりました。蒸し暑い中での生コンのバケツリレーは重く、きつく、皆汗びっしょりで頑張りました。
 その後、バイオトイレ設備、ソーラー設備、木材等の資材を8回の飛行で荷揚げして、今回の工事に関わる全ての資材をキャンプセンターに集積する事が出来ました。
 明日より、バッテリーや制御板を設置する倉庫の改造工事と塗装の終わった屋根へのソーラーパネルの設置工事が行われ、生コンの養生が終わればバイオ本体の設置、トイレ小屋組み等が行われる予定です。

 満開のオオバギボウシ  荷揚げの前のミーティング  キャンプセンターに進入するヘリ
 生コンバケットをつり下げて  荷揚げされた生コンと一輪車  汗びっしょりの生コンバケツリレー
 生コンバケツリレー  荷揚げされた資材  作業終了後の西鉄山友会メンバー

  ○ 太陽光発電装置設置 

 好天に恵まれ工事は順調に進捗して、21日現在屋根の塗装工事が終わって、真っ赤な屋根にソーラーパネル18枚が設置されました。13日に管理室の倉庫を改造して倉庫の品物を移転していましたので、空いた部分にバッテリー、制御板、インバーター、充電器などを設置、また発電機室には自動運転可能な新しい発電機も設置致しました。現在仮設のバイオトイレをソーラーの電力で運転中です。終日動いていて、うるさかった発電機は止まっています。
 22日よりトイレの型枠を取り外し、まもなくログの積み上げが始まります。27日の宝満山山開きには外観が出来上がっているかも知れません。山開きは11時から山頂で行います。皆さんのお出でをお待ちしております。が 今年はおでんはありません。

 現在の小屋の外観  真っ赤な屋根にソーラーパネル  制御板、バッテリー、インバーターなど

 ○ トイレ本体ログ積み上げ
 平成20年度の宝満山夏山開きの行われた27日現在の工事の様子をお知らせします。
トイレ本体の型枠の取り外しが終わり、ログ材の組み立てが先週行われ現在屋根のルフィング張りまで終わっており、完成後の姿がほぼ現れました。今までより1.5m程高い基礎に建てられて、すっかりノッポになりました。屋根にコロニアルを貼り付ければ、いよいよバイオトイレの設置が始まります。バイオ本体はまだ梱包のままですが、200kg以上ありますので機械力の無い現地では作業が大変になります。
 倉庫と発電所の屋根塗装準備と外壁の防腐剤塗装、トイレ横の歩道改良を26,27日かけて行いました。工事進捗につれ会員がやるべき仕事も多くなり、皆汗を流して頑張っています。
 真っ赤に塗装された屋根  組み立てが終わったトイレ  防腐剤が塗布されたベランダの補修材


  ○ ほぼ完成です。 8月2日

 連日の好天に恵まれ、工事は順調に進み2日現在予定の工事はほぼ完成になりました。バイオトイレも所定の場所に納まり、1日に西鉄の検収と試運転が無事に済み、後は電源スイッチを入れれば稼働する状態です。
 足場などの仮設材も取り払われすっきりとしていて、5日に予定されているヘリコプターによる残材の荷下げが終われば広場も元に戻り、テント泊なども出来る様になり、大広間やベランダも業者の方の荷物などが無くなり、昼食や休憩も出来る様になります。
 7日には竣工祭と竈門神社への奉納式を予定致しております。
 5日には仮設トイレが無くなりますので、竣工祭の前ですが新しいトイレを使用可能と致します。その為に使用開始前の”清祓い”を2日に行いました。使用されます時は注意書きを良く読まれて大事にお使い下さいますようにお願い致します。

 足場も取れてすっきりの小屋  完成したバイオトイレ  使用開始前の清祓い
 東側から見れば  トイレの便座と制御器  補修され清々しくなった上宮

  ○ 工事終了及び残材荷下げ 8月5日

 8月5日バイオトイレに関わる全ての工事が終わり、工事資材や残材、仮設トイレのヘリコプター荷下げを行いました。当日はモヤっているものの良い天気で11時より昼食や燃料補給を挟み、20回約3時間で全ての荷物が片づきました。ヘリの風圧で樹木の枝が沢山折れたりしましたが、広場の資材が無くなり、静寂のキャンプセンターに戻りました。
 好天に支えられてソーラーも元気に発電を行い、バイオトイレも十分に機能を発揮致しております。作業終了後、会員はバイオトイレの技術者よりシステムのレクチャーを受け、平常の管理のやり方やトラブル時の対応などを頭に入れました。
 7日は予定通り、11時よりキャンプセンターで竣工祭、竈門神社で奉納式を行います。

 1回分の荷物 約700kg  仮設バイオトイレも下山準備 約350kg  工事報告書の為の完成写真
 工事報告書の為の完成写真  さらば 仮設バイオトイレ 下山開始  資材が無くなり広場も元に戻る

 

○ 竣工祭並びに奉納式 8月7日
  待ちにまった竣工祭の当日は天気も良く、非常に蒸し暑い朝を迎えました。会員は草刈や清掃、神籬(ひもろぎ)や竹の準備をし、神職によって祭壇が整えられました。参加者も三々五々集まり始めましたが、暑さのせいで皆汗びっしょり。水場の冷たい水で汗を落とし、10時45分より関係者揃って竣工祭を執り行いました。マスコミ各社のビデオカメラの回る中で、清祓いや玉串奉奠などを行い竣工祭は滞りなく済みました。
 この後、奉納式が執り行われる竈門神社に向かって全員下山を開始しました。またまた汗びっしょりになりましたが、13時30分より竈門神社本殿に於いて、お祭りを執り行い、西鉄より竈門神社へバイオトイレ一式の奉納が行われました。この後斎殿に移動して、工事竣工と奉納を祝い冷たいビールで直会を行いました。
 今回の工事においては、西鉄本社を初め、暑い中で工事を担当された西鉄土木バイオセレント、湊工業、緒方建設 各社の皆様方に対し心より感謝の気持ちを表します。西鉄山友会会員一同トラブル無きように管理を行い、宝満山キャンプセンターのトイレは日本一だと言われる様に頑張ります。有り難うございました。
 工事詳細のページの更新は今日で終わりますが、今後のトイレの状況は”トイレ”と”近況”のページでお知らせを致します。


 寄贈記念プレートとバイオトイレ説明板  目隠しドアの付いた通路  バイオトイレ処理漕と制御板
 祭壇を準備する神職  竣工祭の初めに一同一拝  竣工祭に参加の関係者
 お祭りの様子  マスコミ各社の取材  生理用品などを持ち帰るトイレマナー袋
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