2011 STUDIO ISLAND BREEZE \500
01 REASON ? 02 AVALON 03 YOU 04 ISLAND BREEZE 05 BREEZE 06 RESET 07 KOKOROBANA 08 SKY 09 POISON 10 WITH
せっかくバンドやっているのだから一度くらいアルバム作ってみたいな・・というのが動機です。RISEに出入りするようになって知り合ったSAVAの松田さんと機材や音楽の話をしたり、松田さんが昨年発表したアルバムに感化されたことは言うまでもありません。アルバムを作り始めるにあたってまず初めにしたこと・・機材環境作り!普通曲だろう?(笑)って言われそうですが、MIDORIESを始めて行なった4回のレコーディングはストレスの嵐でした。使用トラックの限界、旧マシンの低スペックからくるトラブル、エフェクトの古さ・・今まで愛用していたHDDMTRからPCによるDAWに移行です。これは強調しておきたいことですが、現在のDAWは、昔の宅録システムに比べると本当にお金がかからないです。そして曲については以前からあった3曲以外はゼロの状態からのスタートです。もちろんいろんな面で妥協のあった既作オリジナル3曲もすべてやり直しました。 それでは収録曲・・ 01 REASON ? ライブでもCDでもオープニングには気を使っています。大事にしている曲「AVALON」をアタマに持ってくることは決めていたので、そのサビ展開を使って、壮大なイメージにするためにGANちゃんとTOSHIに計8回のコーラス歌ってもらいました。この2人にコーラスやってもらうと、あっという間に終わるから助かります。 02 AVALON 自分では最高に気に入っている曲です。というか自分の趣味HRですから、好きでやるタイプの曲はコレだけかもしれません(笑)MIDORIさんも実は意外にロックですよね。今だから言えますが(笑)うちのバンド3曲目のオリジナルであるコレを作る時、MIDORIさんに作曲も投げてみました。もちろんギターリフやコード進行は作ったうえです。ところが持ってきた曲がまったく○○(笑)だったので急遽その場で10分くらいで作った曲です。作詞も自分のリクエストである「ダークなイメージ」がMIDORIさんの中身にはまったくなかったらしく(笑)かなり苦労したようです。演奏についてはまずGANちゃんのコーラスが頭いいです。この人のコーラスというのは単なるハモりではなく、完全にひとつのアレンジ作業だと思っています。あとは以前の反動(笑)でトラックを使いまくったところが聞きどころです。 03 YOU GANちゃん作詞作曲によるバラード。VoのMIDORIさんの、母親としての気持ちになりきって作った曲だそうです。GANちゃんは曲を作った時、無伴奏の歌を録音して送ってくるのですが、これにアレンジ作業の第一歩、コードをつけるのが難しい・・・曲が複雑なんです。今回も自分がつけたコードを「なにコレ!単純すぎてかっこ悪い」(笑)と笑ったTOSHIに作り直してもらい、それにHARUさんが、超かっこいいピアノ伴奏つけてくれました。音楽性のないギター弾きだけで作ってたら大変でした(泣) 04 島風 「BREEZE」は初夏の海と風の歌ですから、前に何かワンクッションほしかったので、波の音を聞いてもらうためだけの、すごいお気楽な短い曲をつけてみました。自分の第二の故郷が沖縄なのはみなさんご存知の通り。島大好き人間です。無人島にいる時の、止まった時間、聞こえるのは波と風の音だけ・・・自分がプロジェクトに必ずつけている「Island Breeze」という言葉、和訳すれば「島風」です。少しは島を感じてもらえるでしょうか?びっくりしたのは今回ほとんどのベースを弾いてくれた宮川氏のベース。これほぼ初見プレイです。あの才能・技術がうらやましい・・・ 05 BREEZE MIDORIさんがライブMCでよく言う言葉・・松田聖子を歌うために作ったバンドMIDORIES・・・オリジナル2曲目を作る時に自分に課したテーマ「松田聖子がアイドル時代に歌っていたイメージで夏の歌を作る」確信犯的にどこかで聴いたことがあるように作ってみました。Voもやはり一番ハマっていると思います。HIROKAZUくんのおなじみブレイクも当時と少し変わって冴えています。 06 RESET GANちゃんの初CDを作った時の1曲です。その時のテーマは「脳天気なロックンロールを作ろう」でした。コード進行(誰でも弾けるようにコードも4つだけ)とリフを作って、あとはGANちゃんに丸投げした曲です。軽く聴き流してしまいそうですが、歌メロ実はすごい複雑です。今回MIDORIさんのVoで、めでたくMIDORIESのレパートリーになりました。 07 心花 2月のライブでサポートをしてくれた宮川氏とすっかり親しくなって、彼が学生時代にやっていた「空」(Coo)というバンド(うちの愛犬の名前もCoo 笑)のライブ映像を、YOU TUBEで見ている時に見つけて気に入った曲がこれで、アルバムに下さいとお願いしたところ、快く承諾してくださいました。沖縄好きの自分にはピピッときた島唄です。今回オリジナルバージョンとはガラッと変えて、直球の三線アレンジでやってみました。GANちゃんってみんなが考えるイメージはロックボーカリストでしょうが、このコーラス聴くと、絶対民謡とかも合うでしょうね(笑) 08 SKY GANちゃん作詞作曲のバラード。昨年GANちゃんに起きた悲しい出来事を歌った曲です。以前一度レコーディングしましたが、今回イメージを変えて再録、特にコード進行をTOSHIが練り直してくれました。宮川氏がえらくこの曲気に入って、渾身のベースを弾いてくれています。プラス、自分の数年来の友人、実はネット上だけでの付き合いなのですが、(私にはそういうネット上だけの大切な友人が数人います)今回その方に「歌に寄り添うけど激しいギターを弾いてほしい」という無茶な要求をしてギター弾いてもらいました。お聴きの通り、ひときわ輝くプロの仕事です。ということでガラッと変わった「SKY」はいかがでしょう? 09 POISON 2月のライブでサポートしてくれた宮川氏の好きなスタイルが、実はフュージョン系スラップだったことを知り、二人で80年代フュージョンの話で盛り上がりました。そしてちょっとだけファンクロックの要素がある曲を作ってみたいと思ってできたのがコレです。歌が変なメロディで入って最後に覚えやすいメロディに変わる・・という作り方してみました。聴き所はもちろんSHINちゃんのスラップベースです。 10 WITH MIDORIES初のオリジナル曲再録です。2009年秋にバンド活動開始した頃すぐに作った曲なので、アレンジはともかく、とにかく演奏力がなかった・・・(今も?笑)音質的にもいつかはやり直したいと思っていて、このアルバム作成の動機にも大きく影響した曲です。これはとにかくHIROKAZUくんのベースラインが美しい・・・よく歌ってます。思い出深い曲で、これでアルバムしめたいと思います。 特別コーナー SAVAのヒムロック松田さんによるインタビュー ※マニアックな話なので宅録に興味ある人だけどうぞ(笑) 松田(以下M)こんにちは。今日はよろしくイエーィ・・すいません、よろしくお願いします。 SHIRO(以下 S)(笑)よろしくお願いします。 M アルバム完成おめでとうございます。 S ありがとうございます。 M さっそくですがアルバムコンセプトは何ですか? S ないですね(笑)いや・・冗談ではなくて、実はアルバム作ろうと思ったきっかけが松田さんの「日々ROCK」聴いたことなんですよ。あれ聴いて、アルバム作ってみたいなあと・・ど素人だけど、バンドとかやってて一応オリジナルも数曲あるわけだから一度くらいやってみたいじゃないですか。だから以前の「WITH」「BREEZE」「AVALON」そしてGANちゃんのソロプロジェクト「SKY」「RESET」って曲があって、それを音質・演奏力改善のために再レコーディングしたかった・・そしてその合間に新曲を入れた。というアルバムですね。松田さんこそあれコンセプトあったんですか?自分には、好きなことをどんどんやってたらいろんな曲が入ってしまった・・という「ホワイトアルバム」みたいなものかな・・とか勝手に思ったんですけどね。 M アルバムのコンセプトは正直特になくて、速く感じさせたい曲の前に遅い曲をもってくるぐらいでした。あとはWAVE容量にビビった曲数です。いまは完全版のリバーブ調整中ですが、こちらは13曲はいってますよ。 S そうなんですか。聴きたいです。自分あれ買った人の中で一番聴いているかもしれませんよ(笑) M それでは細かい話にいきます。個人的に一番気になったのは曲のレベルですね。ディスクで前の曲と次の曲のレベルの違いを聞き比べたのですが、自分が毎回一番苦労するのがアルバムマスタリングで、レベル調整なんです。一般の方はソコ聴かないんですけどね。ジュディマリやBOOWYのベスト盤もレベル合わせしてない盤もありますからどんな形が最良とは言えないんですけど。 S いきなりマニアックなのきましたね(笑)これ今回かなり苦労しましたよ〜1、2曲だけのシングルCDだったら気にならないことですが、アルバムだとレベルバランス違ってたら違和感ありますよね。ええっと、これ説明するには機材の話避けられませんね(笑) M そうでした(笑)では今回のレコーディングに使用した機材やソフトウエアを教えてください。 S まずはノートPCです。SONY VAIOのオンラインカスタマイズで、VPCF13AFJというモデル。ノートにしたのはやはり外に持ち出す可能性があるからです。 CPUはCORE i7 、メモリは8Gで、HDDは7200rpmの500G。OSはwin7の64bit版です。音の入り口オーディオインターフェイスはCakewalk UA-101。自分の場合MIDI入出力が必需ですからこれにしました。DAWソフトはそれに付属のSONAR 8.5LEです。LE版ですが自分には十分でした。不満は一つだけ、同時立ち上げのインサートエフェクトの制限が厳しいことです。で、マスタリングの話に戻りますね。作業としてはいきなり最後の段階の話になりますが、SONAR上でミックスダウンした24bit→16bitの2ミックスWAVEファイルを、フリーウエアのマスタリングソフト、SOUNDENGINEに立ち上げてマスタリングしました。ミックス時にマスタートラックにトータルコンプ立ち上げてますから、ここでおもに使用したのは「マスタリングプロセッサー」というエフェクトです。そして何度も曲のつなぎのレベル変化をチェックしました。おまけにCD-Rを何枚も犠牲にして、焼いた状態の変化もチェックしました。不思議ですが音量バランスって、最初のミックス段階、マスタリング段階、PC上データ状態の時、CD-Rに焼いてプレイヤーで聴いた時、スピーカーで聴くのかヘッドフォンで聴くのか、24bitから16bitに変換 ・・・条件によって全部聴こえ方が違うじゃないですか。やればきりがないですが、波形も信用せずにあくまで聴感だけをたよりに、今回そこは念入りにやったつもりです。しかし市販のCDはずるいくらい音圧あってレベル高いですよね。どうやってもあんなにはなりませんでした。 M 様々な紆余曲折が伺えますね。音圧やレベルそのものは稼げると思います。ですがね、たとえばホールクラスのライブでSEとして再生すると使えない。やはりコンプの性能とか盤そのものの品質・・・あらゆる面で流通盤はいいと思いますね。このアルバムも技術的にもエフェクト的にもシェイビングされていて、大音量で聴く楽しみが残されている感があります。 S そのあたりはまだまだ勉強しないといけないと感じています。 M それでは収録曲について聞いていきたいと思います。まずは01「REASON?」。毎回ライブオープニングで使用されているSEのイメージが沸きますが、ズバッと終わらせるところ。どんな編集をされたんですか?また使用した音源なんかも気になりますね。 S ライブもオープニングはこだわりたいですよね。やはり少しはお客さんに日常を忘れてもらえるような空間を作りたいじゃないですか。そのためにオープニングSEからガーンと演奏っていうのは効果的です。だからアルバムのオープニングも同じ考えです。自分の好きな昔の洋楽とかにはあまり参考になるのはないですね。どちらかといえば布袋さんのアルバムとか、あとかっこいいといえば氷室のセカンドのオープニングではないでしょうか?ズバッと終わらせる編集は単純に波形をバサッです。手前数秒からフェード操作でレベルをだんだん上げていって、次の「AVALON」の出音に揃える、というやり方です。シンセ音源は今回ほとんど手弾きでMIDI録音、リズムやベロシティが不自然なところを修正して、MIDIを走らせTOSHIのKORG PS60をオーディオ録 音です。ドラムがすべて打ち込みなので、あとの楽器は可能な限り人間のタッチにしました。KORG PS60はTOSHIがライブのために買ったんですが、軽くて安くて使えます。アコースティックピアノと同時にストリングスどのくらいのミックス具合で鳴らす!とか超簡単です。コーラス系エフェクト、残響系エフェクトもツマミでサッといけます。よくできたシンセだと思います。 M やはり布袋氏の音が参考になったのですね。そういえばいままでステージでも、バトルウィズアウト〜略、ギタリズムTのオープニングなど、布袋氏の音源が積極的に採用されていたので、その系譜は感じていました。最近のステージではクラシックそのものを流していたのも記憶に新しいのですが、そこも作る。というよりはあえて音色をあわせてきたという印象です。しかし、この手の音楽を製作されるのは、本当に音楽性のふり幅の大きさを感じますね。 S ほめすぎです(笑) M 次に02「AVALON」。ハードロック的なイメージがありますね。実際にライブでも盛り上がるナンバーだと思いますが、ギタリストとして弾き方のコツなんかあれば教えてください。 S これ本気なんですけど(笑)自分のことギタリストとは思っていないんですよね(笑) 「ギタリスト」って言葉を使うこと自体恥ずかしい感じ・・ギターをちょこっと弾く人・・くらい(笑)RISEに出入りするようになって、松田さんはじめいろんなギタリストの方の演奏を聴くようになりましたが、みなさんすごくうまいですよね。だからそういうこと聞かれても、「AVALON」のギターなんて、中学生でも弾けるようなギターだと思います。強いて言うならずーっとやってるルートのパワーコードをブリッジミュートでガガガガ・・・って正確に弾く、ってこと、これはステレオにするためエフェクトではなく左右でまったく同じことを二回弾いてます。あとは速弾きができないので(笑)ビートの速い曲にロングトーンのゆったりしたソロを合わせるってことくらいです。あとくだらないですけど、ピックスクラッチの音とかは、たかがスクラッチですけど音の具合とか長さとか納得いくまで何回もやりました(笑)スクラッチ意外と毎回同じかっこいい音って出ませんよね。あ、それとライブでマルチとか使っているので、結構自分エフェクター好きと思われているんですが、録音の時、歪み物はほとんどアンプ直です。ライブの時はディレイ系は中途半端にならないようガーッとかけますけれどね(笑) M なるほどダブリングディレイと同じ効果を出した奏法ですね。極端ですがブリッジミュートのハードロックでギターの壁を作るときは、やはりワタクシも二回弾きます。実際洋楽盤では常套手段と聞いています。それも紆余曲折ありまして、たとえば左PANをストラト、右PANをレスポールで弾くと全く仕上がらない。歪みの種類を変えて遊ぶ事もままなら無かったです。結局同じセッティングで弾いた方が一番しっくり来たという・・。やはり同じ手法なんでしょうか?それとこの録り方だと、効果的に生々しさも出てくるのですが、そこはなかなか音楽的にスリムに仕上げてありますね。コンセプトを守っている感がありますよ。 S 実は同じこと感じました。以前のシングル版「AVALON」は左レスポール、右S470なんですよ。今回はレスポールで2回とも弾きました。 M 03「YOU」。いやぁ、これはよく出来てますね。T→Vm7のオーソドックスな流れはあたかもPOPSらしいミドリーズの楽曲という印象ですが、AメロでT♭m7にしつつ、次のターンのAでは・・・これは・・VdimからYに進んでいるんでしょうか・・・。とにかくコード進行の美しさが印象的です。まあ実は私も研究したことがあるんですが、斉藤由貴の【卒業】などほんとうにパッシングデミニッシュの使い方が参考になる。やはりこの辺りの調と、ミドリさんの陽気さがうまく表現されてますよ。 S 音楽理論についてはTOSHIがいなければどうにもなりません(泣)同じ家に住んでいて(笑)本当に便利です。↑に書いている通り、自分がつけたコードは却下でしたので・・・やはりコードくらいは勉強しないとダメですね。それにしても斉藤由貴まで分析されるとは・・・ M 04「島風」。波音のサンプリング元が知りたいですね。それとパン割りなんかも。かなり暖かい波音です。アコギのピークをよく抑えましたね。ギリギリのところで音楽的に聞こえます。とはいえこの曲に関しては、耳を休めてくれる、脳を休めてくれるいいフレーズです。元ネタになった曲とか、影響をうけた音源なども教えてください。 S 波音は某効果音集からです。波音だけで10以上収録されていたので、一番柔らかいものを選びました。というのも沖縄ではこちらみたいな激しい波音ってないんですよ。島の周囲をリーフが囲っているので、いつもこんな穏やかな音ですね。パン割りはアルバム中一番シンプルですよ。なんの工夫もありません。元ネタは意識してないですね。正直、無意識のうちにいろんなものパクっている気はしますけどね(笑)このアコギはインターフェイスにラインで直です。デモの段階で簡易的に録って、そのまま使ってしまいました。 M 05「BREEZE」ですが、ギターの音色がいくつもあるように感じますけど使用されたエフェクトなども教えてください。 S うちのバンドでのギターサウンドって乱暴に分けると、シングルコイルのクリーン音、レスポールのハムの太い歪み音、そしてストラトタイプのハムの音なんです。もちろん細かくポジションは絡みますが。この曲の音色はまず、左右から聴こえるS470のセンターシングルコイル、かけ録りはGT10のコーラスだけです。ミックスでディレイ、EQで中低域をカットしました。Lに振ったアコギはパーカッシブになるよう音程感を感じさせないマイク録り、ソロはS470のフロントハム、ケトナーのEDITION BLUEに直で入れて、アンプで歪ませSM57のマイク録りです。ここは力説したいんですが、ストラトタイプのハンバッカーの音はレスポールタイプとはまったく別物ですから、こういう軽い曲に合うと思います。無理に言葉にするなら、ややフェイズがかって聴こえる・・と言えばいいでしょうか。 M シングルコイル・・・というかピックアップに対する造詣が深いですね。私もシングルが好みでやはり自分のボーカルにあっている・・といいますか。確かに曲に対するギターのセレクトはかなり重要だと思いますね。 S ピックアップはまったく詳しくないですよ。使ったことあるものしか比べようがないですから。おっしゃる通り歌物ですからボーカルを生かすことがすべてですよね。自分も雰囲気で好きなギター使ったりはしません。これは偉そうでちょっと気がひける発言ですが・・・周りに歌を聞かせないバンド結構多い気がします。イベントでずらーっとバンド並べて聴くとハッキリ違いがわかりますよね。 M 06「RESET」。確かにこのアルバムの中では異彩ですが、この曲のギターはどのように編集されたんですか?スネアの抜けもよいですね。音源は何を使用されたんですか? S 以前GANちゃんのソロシングルとして作った時に、松田さんに中間部のソロを弾いていただいた思い出の曲ですよね。自分にはああいうロックンロールなギターは絶対に弾けませんので、今回どうしようかと悩んだ結果、MTR(KORG D16)に残していた以前のデータから、松田さんのソロ部分だけを取り出して、SONAR上に移植、そして一番の問題、テンポ調整はマニュアルで根気よくやりました。貼り付けたってわかりますか?今回のドラム音源はすべてTOONTRACKのEZ DRUMMERです。安いソフトなんですが、これは前から狙ってました。人間っぽく聴かせる機能が素晴らしいですね。 M これは功を奏したかもしれませんね 笑 いや、クオリティ的には生演奏の方がしっくりするのでしょうけど、その当時のその空気感までもが再現されたような感じがして。ワタクシのギターオブリガードの貼り付け。いい意味での違和感を感じました。ややもすると画龍点晴を書く的なトラックになりそうなんですが、うまい具合に音楽的に聞こえるのはやはりテクニックの妙と感じますね。 M 07「心花」。三線の音色が美しい一曲ですが、個人的には三線のリバーブがいいですね。このあたりのリバーブ処理やパンニングが気になります。 S このアルバムで使用しているリバーブはすべてSONARのプラグインのSTUDIOBERBというやつです。かけ方は特に工夫というのはないですが、今回は特定の曲(バラード系)以外はできるだけドライに聴こえるようリバーブはあまりかけていません。ギターもリバーブかけ録りはゼロです。パンニングについては左右に振り切った三線、ステレオエフェクトを使うのではなく、同じことを二回弾いて人間らしいズレを出すようにしています。ライブではハウリング対策で三線もピックアップ使ってラインで出しますが、録音は絶対にマイクがいいですね。SM57の超至近距離です。 M 08「SKY」。悲しい出来事・・・バックのミュージシャンの感情表現が光る曲でもありますね。個人的にはギターのトラックが気になるのですが、これはデータ上でのやり取りなのですか? S 大阪在住のtakaさん(ネット上の友人)にラフミックスを送り、それに合わせて弾いたギターのWAVEファイルを送ってもらい、SONAR上に貼り付けました。ラインだそうです。この方の技術、ギターのハード面についての知識、そして音楽性の幅広さはすごいんですよ。すごく謙遜されるんですけどね。自分もお会いしたことはないんですが、ネットの悪い面ばかり語られる昨今、もうかなり以前からいいお付き合いをさせていただいてます。松田さんとか会ったらきっと話し止らないと思いますよ(笑)ファイルのやりとりに関しては、歪みまでのドライ状態で送ってもらうのが鉄則ですね。EQや残響処理はミックス時に自由にできるように。 ←お送りしたアルバムとtakaさんの愛機 M 09「POISON」。ベースとドラムのコンプレッサーの処理なども気になりますね。 S スラップベースに強めのコンプ。定説ですが、あまりかけ過ぎて自然なダイナミクスは失いたくありませんでした。宮川氏のベースプレイというのは非常に高度で、音も素晴らしくまとまっているんですよ。おかげさまで軽いコンプでも十分音のツブ立ちが揃っていて気持ちいいと思います。ドラムについてはプラグインのコンプにあるプリセットに「SNARE」というのがあって、それを微調整しただけです。というのもコンプというのはいじっていると永遠に答えが出てこない気がしませんか? M そうですね。このコンプに対する質問は【リズム】のシェイビングだったり、意図的な【グルーブ】だったりするんですが、もともと宮川氏のベースは生音でもコンプ感がありますしね。何もコンプに頼らずトラックフェーダーだけでも上手く処理できる音なのかも知れません。というのも最近のバンドの曲をコピーする機会に恵まれたのですが、ディスクでのコンプの掛かり方は異様です。むかしはメタルテープからダビングしたノーマルテープコンプだったり、掛け録りでの音色としてのコンプが生きていたように感じます。そのヘンな大事な部分を上手く残されたのかも知れません。記憶がそうさせた。とも言いましょうか。 大正解な処理だったと思います。ところでコンプコンプと言うものの、我々が家のテレビとラジカセで音楽情報を仕入れていた時代、それらスピーカーは本当に小さくて、新品の電池はパワーもあってコンプ感があって当然だったと思います。むしろ若干歪んでいるみたいな・・・すいません。ワタクシは本当にコンプマニアでして・・・。コンプそのものが音楽そのものと言っても過言では無い。というのが持論ですね。 S 少し補足しときます。宮川氏のベースは今回ほとんど、新しいFREEDOMのベース→EBSのコンプ→オーバードライブ→サンズアンプ→インターフェイスでした。次回はキャビの音も混ぜたいねと二人で話していたところです。それとこの曲のギターはGT10のアンプ&マイキングシミュレーター機能初めて使ってライン録りしてみました。なんかわざわざ爆音鳴らしてマイク立てなくてもいい気もしてきますね。 M 10「WITH」。ボーカルマイクに上手くゲインが乗っていますね。この音域と声質だと暴れがちなSM58の低域特性の処理が気になりますが。ここの処理について教えて下さい。 S こういう歌は、本当はコンデンサーマイクで繊細に録ってみたいですが予算の問題で58です。58ってライブ用マイクとしては半ば信仰みたいに定番になっていますが、録音するのにそんな大したマイクじゃないですよね(笑)これはボーカル自身のマイクコントロールがうまかった、というほかありません。MIDORIさん実はあまりマイクコントロール得意な方ではないんですが(笑)これはまあまあうまくいったと思います。おまけにこの時はスタンド使用せずにハンドマイクで歌ってます。こちらがした指示は、マイクと口の距離、角度、「サ行」の注意、息をかけない・・くらいですかね(十分多いわ 笑)後処理は時間かかってます。ミックスの初期、実は音のバラツキをコンプだけでどうにかしようと思っていたのですが、すぐに甘かったということに気づきました(笑)とにかくバラツキが激しかったんです。それで面倒ですが、人間コンプという恐ろしい作業を全曲に施しました(笑)波形を見ながら、歌詞が聞き取りにくいところ持ち上げたり、口のノイズカットしたり、息吹かれのノイズを極力ごまかしたり(笑)結果この曲がリメイク一番うまくいったと思います。そして「WITH」といえばHIROKAZUくんのベースですよ。ベースはいつものリッケンですが、あとは使用機材ほとんど宮川氏と同じです。おとどしの10月ごろ二人で夜中レコーディングしてたのが懐かしまれます。今回彼時間がなくて2曲しか参加できなかったんです。 M やはり。一重にマイキングテクニックの恩恵だと思っていました。でも後々の処理が本当に手の込んだものであった事を知り、 深く納得です。自分もそうする時はあります。一瞬だけピークを出してしまったり、リミッターを上手く使えなかったので・・・結局は納得できる発声とそうでない発声を紙に書き出し、そのスケッチを元に何度か練習して録り直す事をしてきました。後々処理することをイメージしながらの録り。と言いますかね。今後はステージでもそのテクニックがきっと生きてくると思いますよ。まあでもある意味1つのスタートなんですよね。これは。アマチュアでは音楽って楽しむ。っていうのが常套句ですけどね。でも実際は上手くなければ楽しめない。といいますか。楽しみのレベルを上げる為に練習するっていいますか。まさに体現してるのではないでしょうか。いいメロディとレコーディングだと思います。 S ありがとうございます。次があればもっとがんばってみたいと思います。 M 今日はありがとうございました。