衛星バンドをクリアーにしよう。!
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Cube-Satが6月末に上がり、当初はCWテレメトリーの受信から挑戦しました。
次第に軌道要素も固まって順調なことから、FMパケット送信が始まりました。
これらの信号を旨くキャッチするためには、衛星用アンテナを衛星に向ける必要があります。
これは何も、Cube-Satに限った事ではないのですが、毎日定時的にワッチするうちに、やはり自動追尾(衛星を自動的に追いかけていくこと)をしたくなりました。
通常の作業を紹介します。
まずは、軌道計算ソフトで衛星が地平線から上がってくる時刻と方位を把握し、アンテナをセットします。
アンテナは、水平方向に360度回転します。また、上下方向に180度回転します。要するに、天体観測と同様全天球の何処でも指し示すことが出来るのです。
更に、目的衛星の電波関係データにより、送受信周波数を調べ、送受信機をそれぞれセットします。
衛星が見えてくると(目で見ることが出来る衛星は少なく、電波を感じる事を見えると表現。)、周波数はドップラー効果によって変化しますから、それを追っかけてダイアルを回します。
一方、衛星の位置は、高度が次第に高くなり、方位も変化します。アンテナをコントロールするには、方位と仰角の両方のスイッチを動かします。
受信だけですと、手が3本で済みますが、交信するために送信をする場合は、送信機の操作、マイクや電鍵(モールス電信)を操作すると、手が4・5本要ることになります。
Cube-Satは、受信だけですから、いくらか楽です。
先に出てきました軌道計算ソフトには、国産の優れものがあります。
Calsat32というフリーソフトです。
これを使って、送信・受信周波数の操作や、アンテナの操作も出来る機能を持っています。
周波数の自動操作は、Cube-Satの運用が安定した段階から、使ってきました。
これでアンテナが自動になれば、2本の手が活用できます。
これは、パソコンとLANでつないで、他の機器をコントロールできるインターフェースです。
いろんな種類が出ています。このうちアンテナコントロール用として、キットの完成品が通販で入手できます。
これに、衛星追尾用アンテナ・ローテーターコントロールボード・キットをつけることで、実用になります。
実は、SRLLの部品を通販で調達する際、ついでに、このキット一式も入手しておきました。
これは完成品ではなく、半田付け作業が必要です。また300箇所の半田付けかと、ご心配なく、約80箇所でした。
ただし、この基板は両面スルホールガラス基板で、半田付けを失敗すると専用工具が要るという代物です。充分注意して半田付けします。
組み立ては、割と簡単に終わりました。
そこで、このコントロールボードをPICNICに取り付けました。取説(取扱説明書)では、CNT1コネクターとPICNICのピン番号を必ず一致させるように注意して差し込む事、その後で、電源を入れるようにと有ります。列がずれると、入出力ポートがグランドに落ちPICNICを破損するということです。
パソコンとの接続を、10BaseTのLANケーブルでします。私の場合は、既にLAN環境にありますので、スイッチングHUBに差込みました。
しかし、PICNICのデフォルトIPアドレスは、192.168.0.200に設定してあり、私のLAN系に合わせるためには、一旦別モードで立ち上げないと認識しないことが分かりました。
取説のブートストラップモードについての説明を参考にして、RS232Cケーブル(ストレート)でパソコンとつなぎ、通信ソフト(EXTERM)を起動して、ジャンパーピンJ2をONにした後、電源を入れました。
PICNIC> とプロンプトがでるので、configと入れエンターで、configurationが表示されます。ここでLAN環境に合わせた新しいIPアドレスを設定します。
一旦電源を切り、J2をOFFにして、LANに戻します。LINK LED(緑)が点灯しました。これが点灯すれば、製作ミスはないということだそうです。
DOSプロンプトから、PINGを打ってみます。これは、LANを組んだ場合等、ネットワーク確認の第1段階作業です。PICNICのRX LED(黄)とTX LED(赤)が点滅し、返答が帰ってきて、接続試験は成功です。
次にNetscape Navigatorを立ち上げ、IPアドレスを入れると、画面にPIC Network Interface Card Versionxxxxと表示され、リモートI/O画面が出ます。
ここまでくれば、Calsat32を起動して、動作試験が出来ます。上下左右を指示すると、それぞれのLEDが点滅し、動作試験も成功です。
後は、実機での運用になります。
コントロールの心臓部が出来上がり、今まで手動で操作していたコントローラーに接続しなければなりません。
具体的には、どう使うのかが課題でした。
例によって、インターネットで検索したり、迷惑mailを打ちまくりました。
ローカルの先輩は、コントローラーを電子制御にする改造をメーカーに依頼したそうです。
結構な費用が掛かりますし、何より困るのは、コントローラなしで何日も過ごさなければならないことでした。
これは、毎日やっていることの中断になり、耐えられませんでした。
最近のローテータですと、コントローラーが電子制御対応で、今回製作のコントロールボード直結で自動制御ができます。しかし、私のは古いのが取柄?の代物です。
現用ローテータのコントローラーは、水平が、Create RC5A-3で、仰角はKR-500Bです。
調べたところ、前者の駆動電圧は、AC100Vです。また後者はAC48Vでした。
コントロールボードのスイッチング回路の規格は、60V2Aです。しかも、片方がグランドに落ちています。
AC100VやAC48Vは、グランドから浮かす必要がありますので、ここはリレー回路で制御することにしました。
そのリレーのDC12VのON・OFFを、コントロールボードのスイッチング回路で操作するという2段構えです。
具体的には、どの部分をリレー回路でコントロールするかで、またも悩みました。
Webで探した中で、JH3VSR局のKR500コントローラ改造の回路図とJR4MDA局にmailして頂いたERC-5APの回路図が参考になりました。
これは、キットがありませんので、まったくの自作が必要です。最寄の電子パーツ店に行き(最近、足しげく立ち寄るようになってしまった。)リレー取り付け用の台にするために蛇の目基板を購入しました。店頭にあった接点容量AC100V2A駆動電圧DC12Vのリレーを見ると、@900円で4個だと結構な費用になるので、即時購入は保留しました。
帰宅後、10年以上前に@100円くらいで買ったリレーが、何処かにある筈と部品箱を探しました。AC100V1Aのが見つかりましたので、これで我慢と決めました。適当に配置して配線し、接続端子には、これまたジャンク部品を使うことにして、バラックででっち上げました。
DC12Vを掛けると、それぞれカチカチと動作します。自作の作品が動くと、カチカチ音も耳障りどころか、快感です。!
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| PICNICと自作リレー回路 |
コントロールボードには、スイッチング回路4回路の出力の他に、入力としてアナログ信号(0-5V)が2回路あります。
この入力には、ローテータからコントローラに入ってくる角度検出情報を入れます。
PICNICの規格上、5Vが最高値になっています。KR-500は、5Vなので問題は有りませんでした。RC5A-3は、15Vが出て来るので、抵抗で分圧しました。これもジャンク部品箱から20kオームを3個見つけ、直列で30k(10kと20k)になるように蛇の目基板の空きを利用して作りました。(直並列接続で電気回路の試験に良く出る問題です。暗算で出来ます。)
コントローラの内部からは、100Vや48Vのコモン側を引き出します。上下、左右は、コントローラ裏側に付いている端子板から引き出します。角度検出電圧もこの端子板から取り出します。それぞれ約50cmのビニール電線で配線し、稼動試験に移りました。
メーカーを通さずに何とか自家改造をと挑戦した結果は、課題を多く抱えることになりました。
Calsat32のANTコントロールでは、まず設定をしなければなりません。コントロールパネルの設定と変更ウインドウを開きます。PICNICのIPデフォルト値が設定されていますので、変更している場合は、ここも変更します。次に、A/D変換開始をクリックし検出体勢をとります。実際にANTを動かして、仰角コントロールでは、水平で0V近くの最低電圧を検出してSetし、90度でまた検出した電圧でSetします。仰角のコントロールは、順調に設定出来ました。
しかし、またも水平で苦労しました。Calsat32は、使用するローテータの設置状況に合わせて、起点をN・E・S・Wの何れかに合わせることが出来ます。
RC5A-3は、北から、左右に動くようにセットする仕様です。これはプリセット機構を持っているからでしょう。角度検出電圧は、左回りのSで最高値、右回りのSで最低値0Vです。
一方、Calsatの仕様は、起点で0V、右回りの終点で5Vになっています。それではと、ローテータからの検出回路を逆接続にして見ましたが、コントローラ内部の複雑な回路故か、良く分かりませんが、結局旨くいきませんでした。
ここで、当初計画を放棄しました。
昭和初期生まれで、廃物利用が身についている者の常として、物を捨てない性格が幸いしました。机の下にはKR-400というコントローラが転がっていました。これも10年以上前の物でしょう。
これだと、仰角のKR-500Bと兄弟分ですから、処理し易いと考えました。おまけに、こちらも検出電圧は5Vです。抵抗での分圧回路は無駄になりますが、暗算で頭の体操をしたと思えば、損ではありません。
ところがです。駆動電圧をAC100Vに切り替えないと使えません。KR-400に内蔵するACモーターの位相調整用のコンデンサーは、耐圧60Vが付いているので、これを取り替えないと危険です。高圧関係は使わなくなって久しいので、さすがにジャンク箱にも見当たらず、またも電子パーツ店かと思いました。しかし、時刻は既に21時過ぎです。
前出のJR4MDA局から頂いた回路図をじっと眺めました。回路図は仰角用ですが、基本的な設計は共通だろうと考えました。良く見ると、ローテータの方に位相コンデンサーが内蔵されていました。
KR-400の内蔵コンデンサーを取り外し、内部トランスに配線されていた駆動回路を100Vにそれぞれ接続変更して、改造完了です。今度は、左端0V、右端5Vとなり、S起点でCalsat32の設定もできました。
早速、Calsat32のコントロールパネルを開きました。適当に衛星を選択し、自動をクリックすると、方位軸、仰角軸の角度を表示します。リレーがカチカチと勝手に動き、画面には、扇形のビームパターンが現れて、目的衛星の点へと動いていきます。
ついに完成しました。
この操作は、LANで出来ますので、どの部屋からも可能です。
今後は、周波数操作やリグのSWのON OFFがLAN系で出来ると,更に楽になりそうなので、課題とします。
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| 自動追尾装置全体図 |
今回のANT自動追尾装置製作にあたって、JR4MDA局のご指導を頂いたことを感謝いたします。また、Web公開で資料を提供して頂いたJH3VSR局に感謝いたします。
そして、何よりも素晴らしい軌道計算ソフトCalsat32を提供していただいた、JR1HUO局に感謝します。
この拙い報告書を掲載することで、お礼に代えたいと思います。
記事掲載(11/04/2003)
このANT自動追尾装置について、変更がありました。
2007年8月水平用のCreate RC5A-3に代えて、YAESUのG-2300DXAを導入しました。
これに付属のコントローラには、外部コントロール端子があり、同社のインターフェースユニット(GS-232A)がオプションで用意されています。
この外部コントロール端子を自作の自動追尾装置で活用すれば、KR-400のコントローラと関連配線も不要となります。また左右回転の操作も、グランドに落とすことでONになるので、今までのようにリレー回路を通して100VACを送る必要がありません。
コントロールボードのスイッチング回路4回路の出力の内2回路をそのまま使うことも可能になりました。しかし、配線変更としては、リレー回路の方がやりやすいので、リレー回路を生かして使用しました。
今までは、100VACを掛けるためにグランドから浮かしていたのを、共通をグランドに落とし、他方をLとRに接続しました。
使用開始した感想としては、外部コントロールすることを目的に設計されていることから、検出電圧と回転角度との関係がより正確に現れていることでした。
なお、このローテータ交換について、酷暑の中タワー上での作業をしていただいたJH6TNH、安仲さんに感謝申し上げます。
記事追加掲載(25/08/2007)
(C) Iji Yoshitomo