HOME 宇田整骨院PAL鍼灸室 カネマサ通販 東洋医学史研究会 徐福研究会 波動情報検討会 相互リンク情報 ネットモール特選街  
時代小説ネット書店健康医学専門ネット書店健康介護マッサージ器新型インフルエンザ対策ショップ創作絵本の森電脳特選街

「父ちゃん、高貴薬ってなあに?」薬用人参の話

先日、テレビの番組で中国の漢方薬が紹介されていたが、そのなかで天然の二十年も のの薬用人参が展示販売されているところが映った。 この一本の立派な人参が、なんと七十万円だという。一瞬唖然としたが、天然資源が 枯渇している現状を考えれば、その稀少価値は計り知れないと言うべきであろうか。

人参といえば朝鮮人参が有名であるが、江戸時代の吉宗の代になって初めて国産化さ れたといい、それまでは、すべて輸入品に頼っていたのである。 たとえば正倉院御物のなかに人参は含まれていたし、後に光明皇后の施薬院のために そこから五十斤(三十キログラム)もの人参が流用されたというが、すべて渡来薬物で あった。

時代劇にも人参は高貴薬としてよく登場する。親の病気に薬代が嵩み娘が泣く泣く身 売りするという、よくある話がそうである。 当時、それほど人参は高かったかどうか、どうしても知りたくなって図書館に行って 調べてみた。

江戸時代の天保七年に人参一斤(六百グラム〕銀三十八貫という高値があったが、大 抵は一斤が銀十六貫が相場だったらしい。 当時の専門技術者であった京都の大工の日当が銀三匁(江戸は五匁)、これで銀十六 貫を割ると五三三三日分に当たる計算である。 平成元年三月二十四日の銀の相場でこ れを計算してみたところ、大工の日当は三百十八円、人参六百グラムは百六十九万七千 八百九十四円にあたる。

ほかの物価と換算した場合は、現在より銀の価値が二〜三倍になるのでさらに人参の 薬価は高くなる。 たとえば通説に従って一両を現代の三万円と換算すると、大工の日当は千五百円、人 参一斤は八百万という感覚であろうか。

とにかく現在の経済感覚で単純に計算したところで正確な数値が出てきはしないが、 それでもこの驚くべき価格には現代人でもおおよそ察しが付くというものである。 物価が上がるのは需要と供給に関係があることぐらい、経済オンチの私にも分かる。 今も昔も舶来品は高い。それに当時の人参は供給量が特に少ない薬物ときている。 だがこの高値には、もう一つ理由があるようである。

「寛文・延宝(一六六一〜一六八〇)の頃、数原通玄という良医、朝鮮人参の効能を 考へ──衆人の命を助くる事限り知らず。──これより大効ある事をいよいよ知る」と、 『近代世事談』にあるとおり、この時代人参の薬効に人気が集まったらしい。

昔から人参湯は起死回生の薬として知られていた。この薬湯は『金匱要略』に登場す るし、『傷寒論』には理中丸として出てくる。 特別な新薬というわけではないのであ る。 しかしながら、通常人参湯には三両(十二匁)、つまり四十五グラム(現代では 十五日分)の人参が必要となるが、とても一般庶民が買える薬ではない。円に換算する とこれだけで六十万以上する高貴薬である。

天文(一五三二〜一五五四)の頃の名医永田徳本は薬一服十八文以上取らなかった。 患者が二代将軍秀忠のときも治療代は十八文だけしか取らなかったというが、これは例 外中の例外であろう。

江戸時代医家,売薬で巨富を成すものが多かったのは、各種の史料をみれば分かるこ とであるが、ここに人参が絡んでいる。 安政度で診察料が銀十五匁から三十匁(約一万五千円)、往診料は初度に二十二匁五 分、その後は一度毎に十五匁ということで、別に一里内外は三十匁、二里は六十匁、二 里半は二両、三里以上は五両(約十五万円)、おまけに二里以上は駕籠の往来であれば、 駕籠賃、弁当代は病家が出すというものであった。

薬代はというと、七日分が銀三十匁、三日分が十五匁であるが、宵越しの金など持た ない庶民はそう簡単に医者に掛かれなかったのである。 そうなると自然と鍼灸療法ということになる。灸は京阪とも二十四文(約144円) ですえられた。

按摩代は子供の按摩の揉み代、上下揉んで二十四文。大人の按摩は上下揉みは四十八 文であった。 もちろんこれが相場であるから、世間にはこれより高い料金を取った者もいたであろ うし、割り引いた場合もあったろう。

これを酒の価格と比較すると実感としてよく分かる。安政の時代では、上酒一升が三 百四十文から四百文(約二千四百円)のあいだであったという。『守貞漫稿』

        (一,四,十三)

HOME 宇田整骨院PAL鍼灸室 カネマサ通販 東洋医学史研究会 徐福研究会 波動情報検討会 相互リンク情報 ネットモール特選街  
時代小説ネット書店健康医学専門ネット書店健康介護マッサージ器新型インフルエンザ対策ショップ創作絵本の森電脳特選街











企画・制作 カネマサ
Copyright(C) 2005 - 2009 Uda Seikotuin - All Rights Reserved