審美歯科治療

 昔から明眸皓歯(めいぼうこうし、美しい目と白い歯)は美人の代名詞でした。歯科治療はおいしく物が食べられる様にする事がひとつのゴールではありますが、さらに一歩進んで、より美しく自然な口元を回復したいという欲求に応えるのが審美歯科治療です。本来、歯科治療はすべて審美歯科治療であるべきですが、我が国の保険制度では審美歯科治療は美容目的とされ、ほとんどの治療が保険外治療となります。

 審美歯科治療には、歯並びを改善する歯列矯正、歯を白く漂白するホワイトニング、保険治療では達成できない自然な歯を作る補綴治療、歯肉のラインや色を改善する歯周形成外科などがあります。



歯肉ホワイトニング

 健康な歯肉はサーモンピンクと呼ばれるきれいなピンク色です。明るいピンク色の歯肉はとても健康的に見えますね。

 歯肉に黒ずみが見られる方がおられますが、これは、大抵はメラニン色素の沈着です。原因としては、歯肉に対する慢性的な刺激がもっとも多いと言われています。例えば、口呼吸や、コーヒー、紅茶、刺激物の嗜好、乱暴な歯磨き等も原因と言われていますが、もっとも多いのが喫煙です。歯周病も原因のひとつにあげられます。

 メラニン色素の沈着は、歯肉ホワイトニングによって取り除く事ができます。歯肉に薬液を塗布して取り除く「薬液法」、レーザーで歯肉の表面を蒸散して取り除く「レーザー法」、道具を使って削り取る「切除法」がありますが、このうち「切除法」は、出血や痛みを伴うため、現在ではほとんど行われていません。

 「薬液法」「レーザー法」も原理は同じです。元来、健康な歯肉はピンク色です。そこに慢性的な刺激加わり、ピンク色の歯肉の比較的浅いところにメラニン色素が沈着して黒くなるのです。メラニン色素が沈着した部分を含めて粘膜の表面を一層剥いであげると、その下から粘膜が再生してきます。再生した粘膜には、まだメラニン色素が沈着していないので、歯肉はきれいなピンク色になるのです。歯肉ホワイトニングは、歯肉ピーリング(ガムピーリング)とも言いますが、ピーリングとは英語で「剥ぐ」と言う意味です。

この症例は薬液法による歯肉ホワイトニングを行ったもので、きれいなサーモンピンクの歯肉になりました。

 処置は、表面麻酔か注射麻酔をしてから行いますので、痛みの心配はいりません。粘膜を一層剥いでいるので、処置後は多少はヒリヒリ感を感じられるかも知れません。処置後、数日から1週間くらいでカサブタのようになった粘膜がはがれ落ち、その下にきれいなピンク色の粘膜が再生します。大抵は1回の処置でピンク色になりますが、2回以上の処置が必要なこともあります。結果には個人差があります。まれではありますが、数回の処置を行ってもほとんど改善しないこともあります。

 ほとんどのメラニン色素の着色は、喫煙をはじめとする慢性的な刺激が原因です。再発はしないこともありますが、原因がなくならなければ、半年後くらいから少しずつ再発傾向が見られ、数年後にはまた元のように沈着してしまうこともよくあります。その場合、きれいなピンク色を維持するためには、繰り返し処置を行う必要があります。


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