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■OLYMPUS OM-1シリーズ

M-1

OM-1

OM-1N

前期型・MD・後期型

オリンパスOM-1シリーズの主な諸元

オリンパスOM-1シリーズは、大別すると「M-1」・「OM-1」・「OM-1N」になります。さらに、「OM-1」は「OM-1前期型」・「OM-1MD」・「OM-1後期型」に分けられます。また、同じ世代のOM-1でも製造時期により部品レベルの変更が見られますが、基本的な諸元は、ほぼ共通です。大きな仕様変更は、OM-1MD以降、モータードライブ/ワインダー対応の底板になった点が挙げられます。

■主な諸元

●形式

35ミリTTL定点連動式一眼レフ

●シャッター

機械制御布幕横走りフォーカルプレーンシャッター
B、1~1/1000秒 FP・X(1/60)接点

●ファインダー

視野率97パーセント  倍率0.92倍
フォーカシングスクリーン交換可能

●測光方式・露出計

TTL中央重点平均測光
定点合致式(指針式)
EV2~17(ISO100・F1.4)

●フィルム感度

ISO25~1600

●巻き上げレバー

巻き上げ角150度 予備角30度
分割巻上げ可能

●使用電池

H-D型水銀電池1個

●サイズ

136ミリ(W)×83ミリ(H)×50ミリ

●重量

490グラム(M-1/OM-1)
510グラム(OM-1N)

各モデルの特徴

M-1

『M-1』がOMシリーズの最初のモデルです。OMシステムは、当初、『Mシステム』と命名されていましたが、フォトキナ発表時、M型ライカを展開しているライツ社からクレームがあり、オリンパス社の頭文字『O』をつけて『OMシステム』に変更されました。ちなみに、『Mシステム』とは、開発者の米谷美久氏の名前に由来しているそうです。

『M-1』がOMシリーズの最初のモデルです。OMシステムは、当初、『Mシステム』と命名されていましたが、フォトキナ発表時、M型ライカを展開しているライツ社からクレームがあり、オリンパス社の頭文字『O』をつけて『OMシステム』に変更されました。ちなみに、『Mシステム』とは、開発者の米谷美久氏の名前に由来しているそうです。

『宇宙からバクテリアまで』という有名なキャッチフレーズは、M-1開発の基本コンセプトです。クイックリターンミラーの登場、開放測光の一般化に伴い、35mm一眼レフは目覚しく発展している中、他社では、独自のレンズマウントを開発し35mm一眼レフシステムを構築していましたがオリンパス社には35mm一眼レフシステムがありませんでした。オリンパス社では、「TTL開放測光」「バヨネットマウント式」という35mm一眼レフに求められていた必要条件を『小型・軽量化』することを主眼に新しい35mm一眼レフを開発しました。そして、世界最軽量のM-1が誕生したのです。

M-1は、、その後の35mm一眼レフの開発に大きな影響を与えました。単に小さくするだけなら比較的簡単にできたと思うのですが、操作性や性能を犠牲にせずに小型・軽量化を図ることは困難なことだったようです。また、スペック的にはオーソドックスなカメラでしたが、このサイズのインパクトがOMの名を知らしめることになりました。

大型のクイックリターンミラーと大容量のミラーボックス

内面反射を抑えるためミラーボックスはある程度の大きさが必要です。また、大口径レンズや超望遠レンズを装着した場合のミラー切れを防ぐため大型のクイックリターンミラーが必要です。他のカメラに比べてもOMのクイックリターンミラーは大型でミラーボックスも大容量でした。

明るいファインダー

現代のオートフォーカス機のファインダーは、総じて明るいといえます。これは、カメラが自動的にピントを合わせることが多いので、フォーカシングスクリーンは透過に近いものになっていることに起因します。これと比べるとM-1のファインダーは決して明るいとは言えません。しかしながら、M-1が登場した当時としては、「明るいファインダー」が話題になりました。フォーカシングスクリーンがずば抜けて優れていたのかというとそうではなかったと思います。ファインダーを明るくするために、クイックリターンミラーとペンタプリズムにはアルミではなく高価な銀を蒸着して反射率を高めたために明るいファインダーが実現したのでした。それでも、M(OM)システムのフォーカシングスクリーンは、それまでの一眼レフのものより見やすかったように思いますが‥。また、コンパクトなボディーにもかかわらず、視野率97%、倍率092倍のファインダーというのは優れたものでした。

ミラーショックの低減を図るために組み込まれたエアーダンパー

ミラーショックによるブレは、カメラの小型・軽量化のためには解決しなければならない問題でした。そして、エアーダンパーを備えた機構が組み込まれました。この機構は、ミラーショックの低減に効果があり、布幕シャッターとあわせてOMの静粛性を高めています。

OM一桁シリーズに共通する外観

M-1のデザインはOM一桁シリーズを通して踏襲されました。軍艦部に違いがみられるものの、底板の形状は同じです。そのため、アクセサリーの互換性が保たれています。OMマウントといい、当初決定された仕様・デザインが約30年間不変であったことは、拡張性や先見性のある設計であったことがうかがえます。

■M-1の希少性

『M-1』という商品名に対してM型ライカを有するライツ社からのクレームを受け、『M-1』は発売の翌年には『OM-1』に改称されました。この時の協議により、すでに完成品のM-1とMシステムはそのまま販売され、まだ完成していないパーツ類は破棄することが決まりました。というわけで、実際『M-1』として流通した個体は約5,000台ということです。

[2018.4追記]

M-1の生産台数には諸説あり、正確な数字は不明なようです。「約5,000台」というのは当時のカメラ雑誌の記載を参考にしたものです。

■M-1ブラック

市販されたM-1はクロムメッキ(シルバー)のみです。ブラックボディーは発売されませんでした。しかし、ブラックボディーが現存しているのも確かです。これは、約50台のブラックボディーが生産され、一部のプロカメラマンにのみ配られたものだそうです。「季刊クラシックカメラ №12」に柳沢信氏が所有するM-1の写真が掲載されています。ところで、学習研究社の「カメラGET!」にM-1ブラックについての記事がありましたが、そこに掲載されている写真は、軍艦部上部の「M-1」のロゴに白い塗装が施されていません。このブラックボディーの生い立ちには疑問を感じています。

OM-1

『M-1』が改称されて『OM-1』になりました。『OM-1』は、当初、モータードライブ(ワインダー)用の穴のない底板がついていました。そのため、モータードライブ(ワインダー)を使用する場合、オリンパスのサービスステーションで対応する底板に交換する必要がありました。その後、モータードライブ(ワインダー)が一般化するに伴い、工場出荷時から、モータードライブ(ワインダー)が無調整で装着できる底板がつけられるようになりました。これは『OM-1MD』と呼ばれ、「MD」という文字の入ったプレートがボディーに貼られました。その後、このプレートは省略されました。

OM-1(M-1含む)は大きく分けて4区分することができます。

OM-1が生産終了した後、1990年代の一時期OM-1MDが復刻されました。

OMでミラーアップ機構がついているのはOM-1だけです。ミラーアップが必要なズイコーレンズはありませんが、天体写真やブレを極力抑えることが求められる撮影には不可欠な機構です。

右側がモータードライブ(ワインダー)取り付け部のカバーです。このカバーは、ワインダー2装着時には、ワインダー2の電池ボックス収納部に格納することができます。OM-4では、ねじ込み式で厚くなったので、ワインダーへの格納ができなくなりました。

OM-1用のアクセサリーシューは別売の『アクセサリーシュー1』です。シュー本体には『FIX』という文字が入っています。

OM-1N

OM-2Nが発売された年にOM-1のマイナーチェンジ版『OM-1N』がリリースされました。『OM-1』からの変更点は、Tシリーズ・エレクトロニックフラッシュ使用時、ストロボの充電が完了するとファインダー内の赤いLEDが点灯します。また、ストロボを外光オートで使用する時には自動的にフィルム感度が伝達されるようになりました。そのため接点が2箇所増設されました。アクセサリーシューはOM-2Nと共通で『アクセサリーシュー4』です。

外観上は、巻き上げレバーの指あてのプラスチックが丸みを帯びたデザインに変更されています。

Tシリーズ・エレクトロニックフラッシュ装着時、充電が完了すると赤いLEDが点灯します。 フォーカシングスクリーンは、「1-13」が標準装備されていました。

OM-1シリーズはH-D型水銀電池仕様になっています。現在、水銀電池は入手できませんが、電池アダプター(関東カメラ製MR-9)を利用して、SR43が使えます。

OM-1の電池

OM-1シリーズはH-D型水銀電池仕様になっています。現在、H-D型水銀電池は生産されていません。OM-1のシャッターは機械式なので、電池がなくても作動します。電池はTTL露出計の電源用ですので、単体露出計や外付けの露出計を使用して露出を決めるのであれば、なくてもかまいません。しかし、内蔵露出計は、シャッター速度と絞りが連動しているので便利ですし、TTL方式なのでフィルター使用時など露出倍数を気にすることもなく手軽に適正露出を求められます。

内蔵露出計を使いたい場合には電池が必要となりますが、この様な場合には電池アダプターを利用します。電池アダプターの中には、単純なスペーサーの機能しかないものもあります。OM-1の内臓露出計は指針式なので電圧には注意しましょう。

OM-1シリーズは、関東カメラサービス製の電池アダプターMR-9(電圧変換型)とSR43(酸化銀電池)との組み合わせになります。H-D型水銀電池の電圧は1.35V、SR43の電圧は1.55Vですので、電圧変換型を使います。ちなみに、SR44の電圧はSR43と同じ1.55Vなのですが、サイズが異なります。

SR43:(径)11.6mm×(厚さ)4.6mm (電圧)1.55V

SR44:(径)11.6mm×(厚さ)5.4mm (電圧)1.55V

露出計

OM-1で注意したいのはTTL露出計の状態です。OM-1シリーズのTTL露出計は指針式ですが、カメラ用の指針式TTL露出計を生産しているメーカーは国内にはなく、露出計不良のOM-1の修理は難しいといえます。オリンパスでは、修理を受け付けていません。しかし、カメラ修理専門業者には、リペア用の正常な露出計をストックしているところもありますので、修理が絶望的というわけではないようです。OMの露出計まわりの修理・調整は、結構、手間がかかるそうです。

プリズムの腐食

プリズムの腐食はOMに固有の不良ではないのですが、M-1・OM-1・OM-2などプリズムまわりにモルトを使用しておりプリズムの腐食が現われやすいので注意した方がいいです。
オリンパス社のリペア用のプリズムが払底した直後は、修理不能かと心配しましたが、カメラ修理専門業者の中にはプリズムの再蒸着処理を受け付けるところが数社ありますので、腐食したプリズムの再生が可能になっています。

[2018.4追記]

2004年当時の状況です。2018年現在の修理受付状況は不明です。

OM10のプリズムをOM-1/2シリーズに流用することは可能です。OM10とOM-1/2シリーズとではプリズムを乗せている台座の形状が若干異なっているので、多少、加工が必要になります。また、OM-1/2シリーズのプリズムには銀が蒸着されていますがOM10はアルミだったような気がします。