タイトル

まいちゃんとクー

作 者

たすけママさん

絵本

ピアノ

そらみみ

パン

写真


ぼくは猫のクー。不思議な体験をしたんだ。。。

「クーちゃん、こっちへおいで!早く!」いつものようにご主人様のまいちゃんがクーを呼んでいます。
クーは何度も呼ばれるのでしょうがないなぁと重い腰をあげました。
「朝ご飯早く食べちゃおうね。ハイッ!」
まいちゃんはクーの大好物の
パンを差し出しました。
クーはお腹がへっていたのかペロリと食べ、もう次の催促をしています。
「もう終わりだよ。今日はお出かけなんだからね。準備しましょうね〜。」とご機嫌なまいちゃんは、クーにきらきらのピンクの首輪をつけたのです。

「ぼくは嫌いだよ。首締め付けられるの。それにピンクなんか女の子みたいだし。」
クーはつぶやきました。そしてご機嫌ななめのクーにまいちゃんはうれしそうに言いました。
「今日は海へお出かけだよ。一緒に遊ぼうねクーちゃん。」
「だから〜ぼくは男の子なんだよ。ちゃんじゃないよ!」
クーはプイッっと顔をそむけました。でもまいちゃんはそんなこと気づきません。

さあ出発の時間です。
まいちゃんはクーと大切にしている
絵本をしっかり抱えました。
さあ!まいちゃんのパパとママも一緒に車に乗り込み、海へ向かって出発です。
車の中でまいちゃんは、とってもうれしそうにずぅ〜っとクーをだっこしていました。
そして何度も何度も同じ絵本を読んでくれました。
クーはじめはがんばっていたんだけれど、そのうちにうとうと眠ってしまっていました。
それでも眠ったクーにまいちゃんは、何度も絵本を読んであげました。
そうしているうちに海に着きました。
「着いたよ!海だぁ〜。クーちゃん起きて!!!」
まいちゃんの元気な大声でクーは目が覚めました。
それからまいちゃんは砂場セットを持ってかけていきました。
クーもそのあとをトコトコついて歩きました。まいちゃんは砂遊び。隣にはクーがいます。
「パパ、ママお城が出来たよ!クーちゃんと
写真撮って!」
パパがカメラのシャッターを押しました。次は磯遊び。
「キャハハハッ。クーちゃんお魚だよぉ〜!」
まいちゃんがクーを抱きかかえ水面へ突き出しました。
その瞬間、びっくりしたクーは大慌て。
それにびっくりしたまいちゃんは手を離してしまったんです。
バッシャ〜ン!!!クーが海に落ちました。

クーは海底深く沈んでいきました。意識が遠くなっていきます。
「なんだかとっても眠くなってきたなぁ。」
そんな時、クーの耳に何かきこえてきました。
それはそれはかすかな音でまるで
空耳かと思うくらいでした。
それがだんだん音は大きくなっていきます。「まいちゃんの
ピアノだ!」
クーは思い出しました。いつもまいちゃんはクゥのためにピアノを聴かせてくれていたのです。
「あの曲だ!」それはまいちゃんの練習曲、この間なかなか合格をもらえなかったバイエルの中の曲でした。
くやしくて、泣きながらいっぱいいっぱい練習していた曲でした。
あの時ずーっと練習にお付き合いしていたクーにまいちゃんは、
「クーに聴かせてあげるからね。先生に合格もらったら一番に。」
練習は何度も聞いていたので、その時はクーにとっては別にどうでもよかったのです。
でも、クーが思い出したのは、明日そのピアノのおけいこの日だということでした。

「まいちゃんのピアノを聴かなくっちゃ。神様おねがいします。」
クーは必死にお願いしました。すると「クー!大丈夫?目をあけて!!!」
「クーちゃん起きてぇ〜。わぁ〜ん、わぁ〜ん。。。」
なんだか慌しい声が聞こえてきました。
クーが目をあけるとそこにはまいちゃんとパパとママの顔がありました。
まいちゃんったら大べそかいて、顔が涙でぐちゃくちゃになっています。

「ぼくは助かったんだ。」クーははっとしました。
「神様。ありがとうございました。」クーは神様にお礼を言いました。
「明日のまいちゃんのピアノはぼくが一番に聴くんだから。」
まいちゃんにぎゅ〜っと抱きしめられたびしょぬれのクーは、そうつぶやきました。