タイトル

ピアノ発表会

出題者

Kumi&Maki&Kayo.H

ピアノ

林檎

夜景

十字架


 
久美ちゃんは3人姉妹の末っ子。
お姉ちゃん達はとってもやさしいけど、今日は久美ちゃんちょっと元気がありません。
「ハー・・・」大きなため息におねえさんが気づきました。
「どうしたの?久美ちゃん」
「お父さんに会いたいな」

 久美ちゃんのお父さんは遠く離れた北国にお仕事で出かけているのです。
もう一年近く会っていません。
「今度のピアノ発表会、お父さんは帰ってこないかな」
「久美ちゃんの為だもん。帰ってくるかもね」
ちょっぴり可哀想になって、お姉さんが慰めました。
「お父さんから送ってきたリンゴだよ」お姉さんがおやつを持ってきてくれました。
「よ〜し、もう一回練習しよう」久美ちゃんが元気になりました。

 その夜、久美ちゃんはお父さんに手紙を書きました。
「お父さん、元気ですか?久美も元気です。
今朝、
が出て家の周りが真っ白になったよ。
なんにも見えなくて学校に行く時、ちょっと怖かった。
お父さんがいたら送って貰えたんだけどね。
もうすぐ、
ピアノの発表会です。お父さんが帰ってきてくれたらうれしいな。
お父さんの
林檎、とってもおいしかったよ。」
辞書で調べた難しい漢字を使って、一生懸命書きました。・・・
お父さん、久美ちゃんは頑張っていますよ。

 今日は発表会の日です。上手にひけると良いね。
久美ちゃんは心臓がどきどきしました。頑張って久美ちゃん。
「次は21番、・・・」いよいよ、久美ちゃんの順番です。
「頑張って・・」先生に励まされて久美ちゃんは舞台に出ました。
深呼吸をしてから挨拶をしました。
頭を上げた時、お父さんの笑顔が久美ちゃんの瞳に飛び込んできました。
そうなんです。お父さんが帰ってきてくれたんですね。
お母さんやお姉さんも一緒に、笑顔一杯で座っています。

久美ちゃんは、うれしくって涙が出てきそうになりました。
うれしいのに・・・不思議だね。久美ちゃん。

久美ちゃんの演奏が終わりました。
皆、拍手をしていました。
その中で、お父さんが一番一生懸命拍手をしていました。

 その夜、皆でお食事に行きました。山の上のちいさなレストラン。
久美ちゃんの住んでいる街がずっと下のほうに見えます。
街の
夜景が星屑のようにきらきら輝いてとってもきれいです。
「久美、ピアノが上手になったね」お父さんと一緒に手をつないで帰りました。
南十字星がきらっと
十字架のように輝きました。

「お父さん、大好き」