タイトル

おにいちゃんへの贈り物

出題者

Kayo.J

芝生

方程式

下関

ロマン


かよちゃんは二人兄妹。お兄ちゃんが小学校6年生の時に産まれました。
もうお兄ちゃんは大喜び、どこに行くときもかよちゃんを連れて行きます。
かよちゃんもお兄ちゃんが大好きです。

かよちゃん、最近元気がちょっとないんです。
大好きなお兄ちゃんが大学生になって遠くの町に行ってしまったんです。
お兄ちゃんに会いに行きたいけど、電車にいっぱい乗らないと着かないと
お母さんが言ってました。かよちゃんは、まだ電車に乗ったことがないんです。
お兄ちゃんはかよちゃんが見たこと無いような
方程式を使って大学で難しい勉強をしてるんです。「お兄ちゃんも頑張ってるんだから、かよも良い子にしないとね」
そうだお兄ちゃんに手紙を書こう。かよちゃんは急に元気になりました。

『おにいちゃん、げんき?かよもげんきだよ。このまえ、みんなであそびに行ったんだ・・』
その日の事を思い出して、かよちゃんはにっこり笑顔になりました。
隣の博子ちゃんの家族と一緒にピクニックに行ったんです。
博子ちゃんちのポチも一緒に前へかけて行ったり、後ろへ戻ったり
駆け回りながらついて来ます。
芝生だー。博子ちゃんとポチと一緒にわーいとすべりこみました。草の香りが鼻一杯にプーンと入ってきました。「わー、気持ちいい」
2人は寝転んで、どこまでも青い空を見ました。ポチも横に座って空を見ています。

「さー、もう少しでつくから、寄り道をしないで」お母さんが二人に声をかけました。
「はーい」二人は元気良く立ち上がって、また駆け出しました。

波打ち際まで行ってみました。波がザブーンと足元まで寄せてきます。
「きゃー」と歓声を上げながら、二人は足を水につけてみました。
春の水はまだ少し冷たいですが、かけてきた二人には気持ち良いでした。

二人で貝殻をたくさん拾いました。
かざしてみると光が当たって、ピンク色に輝いています。
この
の先に、お兄ちゃんの住んでいる下関は有るのかな?
かよちゃんは、必ず一緒に来ていたお兄ちゃんのいる町の事をふっと考えました。
行った事のない下関の町は、きれいな町並みがきらきら輝いています。
ロマンあふれる町だよ。」お兄ちゃんが言ってた言葉を思い出しました。

「きれいだね」博子ちゃんに声をかけられ、あわてて貝殻をまた拾いました。
おにいちゃんにもこの貝殻を送ってあげるんだ。
海の匂いのする貝殻を見ながら、かよちゃんは思いました。

夏になればおにいちゃんが帰って来る。「早く夏にならないかな」
かよちゃんは、そうつぶやきながら貝殻を便箋でそっと包みました。