タイトル

遠足に行こうよ

出題者

Hiroko.T

双子のおにいちゃん

飛行機

携帯電話

エプロン

草原


ひろ子ちゃんには双子のおにいちゃんがいます。名前はすみお君って言うんです。
まだ3才のやんちゃざかり、毎日ふたりでどろんこになって遊んでいます。

「二人が仲が良いのは良いんだけど、このままでは男の子のように元気過ぎる
子になっちゃうわ」お母さんが心配して、お父さんに相談しました。
「元気なほうが良いだろう」お父さんは、あまり興味がないようです。
「もうお父さんには聞かないわ」
お母さんは、二人を別々の保育園に通わせる事にしました。

「いやだ、いやだお兄ちゃんと一緒の方が良い」ひろ子ちゃんは泣いて頼みました。お父さんも「可哀想だろう」と言いましたが、お母さんは決して考えを変える事はありませんでした。

今日は初めての登園日。二人とも真新しいかばんを肩からかけてちょっと緊張しています。
ひろ子ちゃんは、小さな声で「一緒がいいな」とぶつぶつ言ってましたが、すみお君は元気な声で「行って来ます」と言って出かけて行きました。
ひろ子ちゃんはバスが迎えに来るので、もう少し時間があります。
「ひろ子、何か有ったらこの
携帯電話でおうちに電話しなさい。
数字の1を押してこのボタンを押せば、お母さんが出るからね。
バスに乗って出かけるひろ子ちゃんを心配そうに見ているお父さんに、「大丈夫よ。『可愛い子には旅をさせろ』でしょう」お母さんは言いました。

部屋のすみっこで小さくなってる、ひろ子ちゃんに可愛いアップリケのついた
エプロンをつけた
優しそうな先生が声をかけました。「始めまして。私はかよ先生よ。今日からよろしくね」
ひろ子ちゃんは、元気がもりもり湧いてきました。
「私はひろ子、3つです。お兄ちゃんは『すみお君』って言うんだよ」
お兄ちゃんの紹介も出来ました。「ここには、ひろ子ちゃんのお兄さんやお姉さんが沢山いるから、毎日仲良く遊びましょうね」「はーい」ひろ子ちゃんはなんだか楽しくなりました。

今日は春のお遠足。皆で近くの牧場に行く事になりました。
いつものかばんには、お母さんが作ってくれたサンドウィッチがとおやつが入っています。
かよ先生に「何が入っているの」と聞かれましたが、「内緒、内緒」と答えました。
自分が先生より偉くなったようで、ちょっと鼻高々のひろ子ちゃんでした。

「さー、皆さん動物さんたちと一緒に遊びましょうね。いじめたりしたらいけませんよ」
牧場に着いたら、かよ先生が言いました。
「はーい」ひろ子ちゃんはお友達になったゆかちゃんと一緒に牛さんややぎさんがいっぱいいる

草原に向けてかけて行きました。おおきな牛さんはちょっと怖かったけど、思いきって葉っぱを差し出してみました。きれいで大きな瞳をした牛さんが、舌をぺろっと出してもぐもぐと葉っぱを食べました。お母さん牛の半分もない子牛が、お母さんのおっぱいから口を離して「もー」と鳴きました。「いつも、お母さんに甘えてたらいけないよ。はい、あなたにも葉っぱをあげる」
ひろ子ちゃんはますます自分が偉くなったような気がしました。

お弁当を食べているひろ子ちゃん達の上には大きく青い空が広がり、白い飛行機雲をひきながら
飛行機が、ゆっくりと飛んで行きます。どこまでも、どこまでも青い空を見ながらひろ子ちゃんは思いました。
そうだ、絵を描いてお兄ちゃんに見せてあげよう。
ひろ子ちゃんは、この景色を忘れないようにもう1度空を見上げました。