タイトル

鹿児島のお友達

出題者

Reiko.K

夜桜

FAX

自慢

ハイソックス

別世界


今日も玲子姉ちゃん、FAXを出している。最初、何してるか良く分らなかった。
だって玲子姉ちゃん、「これで良いわ。鹿児島の吹ちゃんに報告終わり。」なんて僕に話しかけるんだ。機械に紙を差し込んで、吹ちゃんに報告なんて、話もしてないのに変なお姉ちゃん。

どうも秘密の装置で、あちこちに行けるらしい。
僕は頭が良いから、教えて貰わなくてもそのへん分かるんだ。えっへん。

今日はお姉ちゃんは友達と遊びに出かけちゃった。
いつもだったら、僕を連れて行ってくれるんだ。
玲子姉ちゃんのぽっけに入れてもらって、あちこちに行った。
でも今日は
夜桜見物で花見、「夜遅くなるからチコは連れて行けないわ」なんて言ってた。
ちょっと挨拶が遅れちゃったけど、僕の名前はチコ、玲子姉ちゃんのボーイフレンドというところかな。といっても、まだ生まれて2ヶ月しかたってないハムスターなんだ。
でも茶色いしましま模様の入った毛がふかふかして、とっても男前なんだよ。えっへん。 
また
自慢しちゃった。

どれどれ、お姉ちゃんのいない隙にあのFAXとかいう機械を調べてみよう。
「うーん、数字がならんでいるね。難しいな」あれ、あれ 大変だ
僕の体がどんどん機械に吸い込まれて行く、吸い込まれて行く。
「ここはどこだっけ。まわりは夜みたいに真っ暗っけだ。お姉ちゃん、助けて」
チコちゃんは
別世界に来たようだね。大丈夫かな?

急にまわりが明るくなったぞ。大きな山から煙がもくもく出ている。
僕は心細くなって、廻りを見まわした。「あなたは誰?どこから来たの?」
ピンクの花柄の服を着たお姉さんが話しかけてきた。
「僕の名前はチコ。玲子姉ちゃんちから来たんだ」
「チコって、東京の?」不思議そうな顔でお姉さんが聴いた?
ひょっとしてこのお姉さんが吹ちゃん?

僕は思いきって聞いてみた。
「お姉さんは吹ちゃんですか?僕は玲子姉ちゃんのボーイフレンドのチコです」
「え、嘘でしょう?だって。。でも、なぜ私の名前を知ってるの?」
なんてお姉さんは混乱している。僕の方が状況把握がうまいようだな。えっへん。

「僕はFAXという機械に飲みこまれて、ここに着いたんだよ」
「僕だってびっくりしてるんだ。でも、お姉さんに会えてうれしいよ。
 いつも玲子姉ちゃん、吹ちゃんに会いたいね。って僕に話しかけるんだ。」
お姉さんは、ま〜〜いいわって感じで僕にピーナッツを食べさせてくれた。
「ここは何処なの?」僕は聞いた。あとで玲子姉ちゃんに教えないとね。「ここは鹿児島よ。あの窓の向うに見える山は桜島、東京にはあんな大きな 山はないでしょう。」
自慢じゃないが、僕は煙の出る山なんて生まれて初めてだよ。
と言っても、まだ生まれてから2ヶ月しか世の中を知らないけどね。
その割にはいろんな事を知ってるんだ。

「このまま、家で飼う訳にはいかないわね。こにちゃんが心配するし。」
僕の知らない名前を言った。「こにちゃんて誰?」どうもこにちゃんて玲子姉ちゃんのことの様だね。玲子姉ちゃん、別な名前も持ってるようだ。

「そうだ、もうすぐ私は東京ディズニーランドに行くの。 それまで家にいたら良いわ」
それから、僕の鹿児島での生活が始まった。玲子姉ちゃんは心配したようだけど、
「吹ちゃん、よろしくね」なんて、ちょっと薄情だね。
迎えに来てくれるかな?なんて期待したんだけど。僕の住まいは
ハイソックス
入り口をつけて柱にぶらさげてくれた。東京では立派なお家が有ったんだけどね。まーいいや。
それなりに快適だよ。入る時がちょっと大変だけどね。お外に出るときは、入り口からエイヤって勢いをつけて飛び出すんだ。なんどか転んだけど、最近では大分上手になっちゃった。

吹ちゃんのうちには、ファジーって名前の猫がいる。
メス猫らしいんだけど、結構気が強い。この前、いつものように外に飛び出そうとしたらファジーの顔に乗っかっちゃったんだ。僕も驚いたけど、ファジーはもっとびっくり。
飛びあがって2階に駆け上がっちゃった。結構弱虫なんだね。

でも、普段は仲良し、時々背中に乗せて散歩につれてってくれる。
世界が広くなって、自分が偉くなったような気がするね。

吹ちゃんも可愛がってくれるし、結構鹿児島も楽しいや。
「ずっといても良いよ」なんて言ってくれるんだ。
でも、やっぱり玲子姉ちゃんちが良いや。

お姉ちゃん、待ってて。もうすぐ帰れるよ。