「精神障がい者は、今の社会を新しく変えて行く存在である!」          

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ふれあい交流会:寄稿文

宮崎公立大人文学部 辻 利則教授

ふれあい交流会

宮崎公立大学人文学部
教授 辻 利則

 宮崎もやいの会の皆様には、「ふれあい交流会」を7月と10月の2回、宮崎公立大学において開催して頂きました。

 学生の参加者は主に私のゼミ生で、地域を「災害に強いまちづくり」にできないかと教育、福祉、ボランティアの視点から考え、活動しています。災害から命を守る考え方には「防災」と「減災」がありますが、私たちの取り組みは「減災」が主で、普段からの人と人の繋がりが重要と考えています。地域の課題は、自治会加入率が減少するなど地域の繋がりが希薄になっていることで、特に災害弱者と言われる障がい者や高齢者を地域で守ることが難しくなっていることです。

 そこで、私たちは地域の繋がりの必要性の「気づき」のための活動として、高齢者の方々のサロンの開催、大学近くの小学校の児童、住民と地域の危険な箇所を調査するストリートウオッチング、そして私が宮崎県ボランティア協会の会長をしていることもあって「ふれあいの旅」という障がいのある人、ない人が一緒に旅する活動、「ふれあいアート」というアートを使った障がい者理解の活動を行っています。

 私を含め福祉を専門に学んでいるわけではないため、障がい者や高齢者にどのように接すればよいのかなど知らない「素人」集団ですが、一緒に活動する中で「感じること」が大切だと思っています。この「素人」の感じたことは、実は社会の多くを占める「素人」の受け止め方であって、それを知ることは社会が障がい者理解などを進める上でとても意味のあることです。向き合う相手に理解を求めるためには、双方が相手の立場を考えること、たとえば障がい者理解などを進めるためには社会の「素人」の感覚を忘れないように、または想像し、その方法を考えていくことが重要と思うのです。

 私たちがこれまでの活動の中で感じていること、「素人」に伝えたいことは、一言でいうと「おなじ」ということです。もちろん「知らないこと」で、間違った理解をしてしまい迷惑をかけることもありましたが、それは当事者から話を「聞く」という簡単なことで、だれにでもできることだと思っています。ただし、私たちがこれまで一緒に活動していたのは、ほとんど身体障がい者の方でした。

 そういった中で、平成27年7月に1回目の精神障害者の方と話をする機会を作って頂きました。精神障害者の方への「生活や就労、悩みなどのアンケート」をもとにした話し合いです。ほとんどの学生が当事者の方と話をするのは初めてでした。私たち「素人」集団、だれでも「おなじ」、わからないことでも当事者に「聞け」ば簡単に理解できるという気持ちはありましたが、実際にお会いするまでは、どこかで植え付けられた精神障害者に対する感覚が邪魔をし、疑問に思っていることはあっても本当に聞いていいだろうか、気に障らないだろうかと思ってしまうところがありました。

 そして、実際にお会いし、お話をし、私たち「素人」が感じたことは、先に述べた「おなじ」、そして当事者に「聞く」ことで理解できる、認め合えるということでした。ただどこかで植え付けられた感覚は、「素人」が当事者に「聞く」ということを「簡単」にさせてくれないということでした。今回の「ふれあい交流会」は、その点、当事者から「素人」に話しかけることで、「素人」に植え付けられた感覚、壁を低くしてくれました。「素人」自身ではなかなか崩せない壁、当事者の皆さんが起点となって、動き、発信するこのような活動は、向き合う相手が「素人」であることも認識され、「素人」が受け止めやすい方法だと思いました。

 2回目は平成27年10月で、いくつかの地域で「ふれあい交流会」を実施された後でした。会の司会進行からグループ分け、プログラムなどすべて当事者の方々で行われました。お二人の当事者の障害、体験談を聞き、その後グループに分かれてのワークショップが行われました。当事者の方のお話は、壮絶で、1回目とは違って障害の大変さ、そんなに簡単なものでないことが分かりました。一方で、学生たちは非常に身近な障害であることを認識し、外見ではわからない、障害をわかってもらえない辛さについて考えていました。

 障がい者を理解する上で、その人の立場になって考えることは非常に大切なことは言うまでもありません。しかしながら全てを理解し、全ての正解を導き出すことは無理です。様々な環境の中で障がい者の方々も活動されているので、想像することにも限界があります。先ほどから述べている「素人」にでもできることを考えると、大切なことは障害者を理解しようとする「態度」ではないかと思います。そのためには、やはり当事者の方の力が必要になります。

 当事者の方が起点となって活動する「ふれあい交流会」、非常に有効な方法です。特に精神障害者への誤解は多く、社会の「素人」が理解するための壁を高くしているからです。それでは当事者に全て任せればよいのか、いやそれは違うでしょう。今回の「ふれあい交流会」でも当事者の方にかなりの負担を強いていることも現実です。「専門家」「素人」「当事者」・・・とそれぞれができることは必ずあります。様々な人を巻き込んで協力し合い、理解者を増やしていく活動に変化していくことも必要でしょう。

 最後に、ふれあい交流会を本学で実施して頂いた宮崎もやいの会の皆様に厚く御礼申し上げます。そして、まずは普通に教育現場でこのような交流ができるようになることを願っております。


   
 
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