ととろのバス停


 
 大分県宇目町に、「ととろ」のバス停があります。偶然、宮崎駿監督の「となりのトトロ」というアニメと同じ名前ということで、口コミで噂が広がっていき、今では密かな観光スポットになっています。
 一番最初は、地元の「となりのトトロ」が好きだった女の子が、バス停にトトロのシールを貼ったのがキッカケらしいですね。
 それから、ある日突然、誰が作ったのかも、誰が置いていったのかもわからないトトロの登場人物が出現して、地元のニュースになりました。その看板のイラストはすごく上手なので、素人ではないのではないかと言われています。今だに誰の仕業なのかは不明なのですが、それからも1つずつ増えていっています。

 

     実際は『轟』と書いて「ととろ」と読むこの地は、のどかな風景が広がり、本当にアニメから抜け出てきたような感じがします。

 このバス停には、もちろん実際に大分バスが停まります。1日に2.3便らしいんですが。バス停を正面から見ると、バス停の左には『猫バスの停まる里』と書かれた木の看板が見えます。メイをおぶったサツキやトトロがバス停にいると、アニメの一シーンのようですね。

 

 このバス停から少し離れた場所には、『トトロの森』があります。木の枝には沢山の小さなトトロが並んでいます。
 このトトロ達には、お腹の白い部分に名前や日付が書かれてありました。神社の絵馬のトトロ版という感じでしょうか。それぞれのトトロは地元の方の手作りらしく、1つ1つ表情が違います。
 

   大きな猫バスもありました。この猫バスも、やはりある朝突然、道路のガードレールのところに置かれていたらしいのですが、交通の邪魔になって危険な為、あるお宅の畑に移動されたらしいです。
 隣にあるイラストのバス停は、本当の大きさのバス停ぐらいなんですが、それと比べると猫バスの大きさも分かるかと思います。

 猫バスの窓の部分は繰り抜かれていて、そこから顔を出して記念撮影する人が多いようです。猫バスの裏には、そのための踏み台がありました。

 

 一番最近出現したのは、このトンネルです。大人だと、すこし屈んで通れる感じの大きさですね。
 このトンネルを通って階段を降り、小川を渡ったところには、さらに沢山のトトロや、メイとおばあちゃんの看板や木製のベンチもあります。
 

 

 

 

 大分市内から車で1時間程かかったでしょうか。途中、トイレに行きたくなったので「どこか、コンビニとかパチンコ屋さんとか、トイレに行けそうな所があったら止まってくれぇ」って言ってた私でしたが、言うのが遅かったのか、進むにつれてお店の姿もなくなっていき、車はどんどん山の中へ。「もう、トトロのバス停に着いちゃうよ」って、気が気ではありませんでした。ととろのバス停は、普通のバス停だし、トイレなんかないでしょうから、もしかしたら山の中で?なんて事になるんじゃないかと思いました。

 でも、ととろのバス停に着くと、トイレがちゃんとあったんですよ。「トイレ〜」って、真っ先に直行したのは言うまでもありません。(^-^;)

 すごく綺麗なトイレでしたよ。新しいというのではなく、多分、地元の方が毎日ちゃんとお掃除していらっしゃるんだと思います。

 私達がバス停に居る間には、おばあさん2人連れがお散歩の途中だったのか、乳母車を押しながらやって来て、猫バスのところで休憩して行かれました。すれ違う人同志も、多分お知り合いなんでしょうね、立ち止まって話して行ったりしてました。私たちにも「こんにちは」って声をかけてくれたりもしました。

 思わぬことで観光地になってしまったものの、地元の生活圏に変わりはないんですね。そもそも「観光地を作ろう!」としてできた場所ではなく、投資ゼロの観光スポットです。なので、トトログッズを売っているお土産屋さんとかは一切ありません。実際そういう出店の話もあったらしいのですが、一切断っているらしいです。

 注目され始めた頃は、観光客が殺到して渋滞になったり、役場に問い合わせの電話が殺到したりで大変だったみたいですが、今はそんなこともなく落ち着いたようですね。元々は、普通の田舎の、普通の道路にある、普通のバス停なんです。

 ととろのバス停は、地元の方や、どこかの誰かの善意が集まっているところです。しかし、注目されたせいか心無い人もやってきてしまいます。実際、過去にはバス停の看板を持って帰ってしまったり、落書きをしたり、ゴミを捨てていったりする被害も出てしまいました。その度に地元の方が直したり、また「どこかの誰か」による新しい看板が出現したりで現在の状態になっているんですね。

 いつまでも、このままでいて欲しいなぁと思います。人も、場所も。そして、今度は何が出現するのか、とても楽しみですね。

 

ととろニュース(2001.11.17)

 平成13年11月3日に、猫バスが老朽化のため撤去されました。この猫バスはベニヤ板製だったため、傷んできてしまったんですね。地元の方達によってセレモニーみたいなものがあったようです。私はニュースで見ました(^-^;)その時、泣いている方もいました。傷んだ猫バスは、補修されて今度は違う場所へ設置される予定だそうです。

 そしてしばらく経った、11月16日早朝、新たな猫バスが発見されました。今まであった場所に立てかけてあるところを近所の方が見つけたようです。今回も作者は不明ですが、出来映えからすると、どうやら同じ人の手によるものではないかという事です。今回新たに発見された猫バスは、プラスチック製で初代の猫バスと同じく窓のところが切りぬかれているようです。今度は運転席のところに、サツキとメイが描かれているとか。

 2代目の猫バスの設置場所は、まだ決まっていないようです。今までの場所は私有地で、持ち主の方が無償で置かせてくれていたのですが、今回も置いて貰って構わないそうですが、それによってご近所に迷惑がかかるのならば困るので、ということらしいです。なかなか難しいですね。

 
ととろニュース(2003.12.15)
 平成15年12月14日、メイちゃんがいなくなってしまいました。朝、近所の方がいなくなっているのを発見したようです。メイちゃんは、プラスチック製で高さ約1m。今年9月から、バス停の西側に設置されていたそうで、何者かによって支柱からはぎ取られていました。

 今年設置されたらしいので、私は見ないままでした。そもそも設置した人が不明なのものなので、修繕とかのために持ち去られたのなら良いのですが、どうも違う感じなのでしょうか。。。残念です。

 

  ととろのバス停

大分県南海部郡宇目町大字南田原轟(トトロ)

JR佐伯駅より大分バス「木浦」行き
(1日に数便しかないようです)

車だと国道326号線を南下して、県道6号線に
1キロほど入ったところ