松田信幸建築研究所   一級建築士事務所 Works Home
         快適な家って何だろう

住宅が家族の暮らしをサポートする以上に、新しい生活創造への刺激を与えてくれたら、さぞかし素敵に暮らすことができるでしょう。

家創りは人と場との対話を通して、その人の暮らし方を如何に快く包むかというところから始まり、結果として心と脳を元気にする背景創りをすることだと思います。ここでは人々に共通する住まう中で快適と感じるための要素や、その周辺を掲げることで自分達だけの理想に繋がる住いのイメージを模索して見たいと思います。

それでは家創りに際しまして、快適性に結びつくキーワードを拾ってみましょう。
  1. コンセプト (ライフスタイルとの関係)
  2. 空間性  (外部・内部環境の質の形成)
  3. 安全性  (構造計画と確かな工事が必須)
  4. 機能性  (住み易さ)
  5. アメニティ (自然換気、空調方式)
  6. 経済性  (内容と価格とのバランス)
  7. デザイン (住スタイルの表現)
以上が、大方の人にとっての、快適性を得るための基本アイテムではないかと思います。
次に各キーワードに添って、もう少し具体的に見てみましょう。
■コンセプト
コンセプト創りは住いの性格を決める一番大切なところ。住格形成ですね。夢を持って参加してほしいところです。例えば自分達の希望と夢を言葉に代えて
  • 家族のきずな・遊び心満載
  • 和を包む空間・輪を囲んだ団欒
  • 家族の会話・自然との対話
  • 我家でカフェ・仲間とのカフェ
  • 移ろひ往く季節・悠々閑々
  • 我家でリゾート・バーでは水入らず
  • ガレージハウス・車は家族の一員
など々、ご自分のライフスタイルからメインテーマを言葉に表現してみて下さい。自分自身の再発見にも繋がるかもしれません。そしてご自分の中で漠然としていたところも見えてきたりしませんか。
■空間
コンセプトと制約に添って空間創りを行う訳ですが、快適になるためのガイドを示しておきましょう。
  • 敷地と周辺を良く観察する
  • 楽しいシーンをアレコレと集める
  • 不利な条件を逆手にとる
  • 制約は進化の種
  • 豊かな遊び空間は暮らしを楽しくする
  • 形式にとらわれない自由な発想
  • 複雑なものをシンプルにする
空間創りは住まい手と建築家の共同作業です。遠慮なく意見を出し合いましょう。会話の先には必ず、すばらしい解答が待っていると思います。
■安全
安全なくして快適性なし。恐らく最大関心事は地震対策ではないかと思います。建築基準法では150年に一度くらいの割合で襲ってくる巨大地震時に倒壊しない強度を想定 しています。計画段階においてプランニングと併せて充分に構造計画を行い、出来上がると隠れてしまう部分は工事中に、しっかりと確認しておきましょう。その主な場所は
  • 基礎の配筋、コンクリートの被りと強度
  • 土台の材質、形状、アンカーボルト位置
  • 耐力壁の配置と耐震金物
  • 柱・梁の材質と形状及び継ぎ手
耐震金物使用は最近できた重要な法律ですが、確認申請では審査対象外になっています。工事監理者と施工者がその責を果たすことが前提になっているのですね。現場でしっかり注意して見ておきましょう。
■機能
住いにおいての機能とはどんなことを指しているのでしょうか? ここでは人が住むためのスペースと設備が備わり、使い易い状態にあることが快適性に繋がるという意味で、この住み易さにスポットを当てたいと思います。プラン上の注意点は
  • コンセプトを貫く
  • 人の行動と空間秩序を模索する
  • 必要な条件は前もって整理しておく
  • どこでもドアは落第点
  • 一挙に解決する名案をひたすら考える
  • 規模が小さいほど想像力と柔軟性を持とう。
プランニング時の合言葉は「一つの図式で全てを解決」です。これは経済性にも関連します。キーワード毎に記していますが、全ては一挙に処理されます。
■アメニティ
私達は空間が適度な温湿状態にあることによって初めて快適性を感じることができますね。無駄なエネルギー使用を減らすことにも気を配るようにしましょう。地域によって異なる自然条件をよく観察し、工夫して取り入れ、より住みやすい環境にしましょう。
  • 地域の特性を掴む
  • 自然を上手く活用する
  • 外部熱問題は建築的な解決を試みよう
  • 高気密・高断熱は合理的に行う
  • 機械的設備に頼り過ぎない
特に南国では冬より夏の対策が重要ですね。例えば、庭に少し大きな木を植えると、その廻りに下降気流が発生して風を起こすという現象をご存知ですか?また2方向通風でも片方の窓を高くすると煙突効果で自然対流が起きます。このような自然力も利用したいですね。
■経済
ある品物を他のお店より安く手に入れるのは嬉しいものです。無駄なお金は誰だって使いたくないですね。然し住宅は同じ物が二つとない、また売っているところもない唯一無二。比較したい時は内容をこ・ま・か・く規定した上で値段をつけてもらうしかない訳です。 ところが、一番下の値段が安いとはコレマタ限らない。仕事の質の問題があるのですね。工事積算はベールに包まれているところが多くて、一般の人ではとても太刀打ちできないですね。然し、ヘコタレてはいけません。そこで賢くやり遂げるには。
  • 品質と価格のバランスが基本
  • 専門家を見方につける
  • 価格的なガイドラインを掴む
  • おばあちゃんに扮したオオカミにはご用心
  • 請負経費のゴマカシはアヤシイ
経費のゴマカシは政治の世界だけではないみたい。本当の事が見えないと快適ではないですよね。
■デザイン
デザインは人によって好き嫌い様々あると思います。ここでは和、洋のスタイルから現代のシンプルモダンまでの全般に共通する背景に触れることで、デザインすることは単に表面的な化粧に終わらない、別な言い方をすれば、建築はそのスタイルに拘らず、美しく感じる理由があるということを考えて見たいと思います。快適性を感じ、魅了されるデザインとはどのようなものでしょうか。第一の印象では
  • シンプル
  • 軽快(又は重厚)
  • 親しみ
  • 意外性(観念の外)
  • 秩序
などの事象が見る人に複合的、且つ同時に作用し、結果として快く感じることだと思います。これまで述べてきました快適性を得るために考えたこと、そして得た解答がデザイン母体そのものだということです。これを素直に秩序だてれば良いわけですね。
どんなデザインであれ、時代に風化しないものを得るためには、内容を充分に検討して、下ごしらえすることが大事であると思います。デザインワークの周辺にあるものを挙げますと
  • 文脈を読む(地域、社会、自然)
  • 内容と表現
  • 理論と検証
  • 材料と技術
  • 全体と細部
などが実際、デザインするときに意識している事柄です。母体をしっかりと吟味した上でこれらを行っていれば、優れたデザインに到達できると思います。注意しなければならないことはデザインそのものを目的にしないことです。それは全てを失うことになり、快適性からは遠退いてしまうことでしょう。自分達のライフスタイルを素直に尚且つ、知的に表現したいですね。
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