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歯槽膿漏
ここのところ、つばをはけば、必ず血がまじっている。どこがどう痛いということではない。
やむなく、歯科医院にいってみることにした。
これが歯槽膿漏というものらしい。はぐきが全体として赤くはれていて、はぐきの中、数ミリのところの歯に歯垢がたまっていて、これはもはや、歯磨き程度ではとれないらしい。それで、しばらく通って、とってもらうことにした。
週1回程度でいきましょうということになって、月曜日の朝に予約をいれてもらった。最初の何回かは、見える部分の歯垢を、例のウィーンというやつで、とってもらった。これはまだ良かった。さほどでもなかった。
いよいよ、歯と歯茎の間の歯垢をとる時がきた。
やはりというか、この手の作業は、実に原始的なものである。なにか金属で、歯茎をこじあけ、歯から、歯垢をこさぎとるのである。看護婦さんがやさしそうな声で「いたかったら、左手をあげてください」といわれるが、なんのこれしき、ちょっとやそっとでは、左手はあげられない。看護婦さんも一生懸命やっておられるのだ。なんといっても、ちょくちょく「いたいいたい」といっていたのでは、仕事にならんであろう。印象を悪くして、これ以上痛い目にあってもいやだし。(そんなことはあるまいが)
痛いのもつらいが、さらに体中に緊張がはしるのは、この作業が以外と力仕事に近いのだ。長年溜まった歯垢である。それを力任せにこさぎとるのだから、当然、看護婦さんも力がはいる。時に、金属の器具が口の中を滑るのである。(そんな気がするだけかもしれないが)そうすると、この金属が、口の中のほかのところを傷つけるのではないかという不安にかられるのだ。そういう緊張が、約20分続く。
それとあおむけになった状態で、口の中は、唾液と血液でいっぱいになるのを、時々「ガー」という音とともに吸い込んでくれるのだが、それでも、気道を確保できるのだろうかという不安がある。時々はこの気道のほうに、歯垢のけずりかすかなんかが落ちてくるんではないか。それで突然、咳をしたらどうなるのだろうと考えてしまうのだ。
そんなわけであるが、おかげで歯茎の状態もかなり改善しているようだし、(ささやかなフォロー)ここまで我慢したのだから、あと何回かを通ってみることにした。
しかし、月曜日の朝は、ぐったり疲れている。昼をすぎた2時くらいになるともう仕事にならない。30分でいいから横になりたい。
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