暑さもひとしきり去ってしまって、秋ですねえ。外の青空を眺めていると気持ちがぐっと落ち着いてきます。近くの公園にちょっとした展望台があります。鉄製の螺旋階段を二周りくらいすると、360度、全てが見渡せます。有明海の向こう岸、長崎県の山々が見えます。右が経ケ岳(標高1076m)、左が雲仙岳(10年ほど前の火砕流が記憶に新しいいわゆる普賢岳、1400m)です。で、その中間に諫早湾があります。あの間を締め切っているのかなどと思ったりします。晴れた日には本当に近く見えます。有明海は小さな海なんです。ちょっと日本地図を見てみました。琵琶湖、東京湾、伊勢湾あたりとも同じような大きさなんでしょう。
諫早湾をめぐっては、九州農政局が、1カ月の短期開門の結果、「堤防の閉めきりは有明海全体にはほとんど影響を与えてない」と報告書をまとめています。「コンピューター解析では…」うんぬんと、実際にタイラギ漁が5季連続で休漁が続いているという事実、海で働く人の実感のどちらに真実があるのでしょう。中・長期の開門をどうするかを前に、このまま世論の沈静化をもくろんでいるのではないかとさえ思います。
有明海の歴史は埋め立ての歴史でもあります。おそらく、郷土の発展ということで、沿岸各地が埋め立てを推奨し、市、町を揚げて埋め立ててきた歴史でもあります。つまり周りからじわじわと海を狭めてきた結果、今日の有明海の現状があるのではないかと思います。有明海の再生は、諫早湾の閉めきりかどうかだけでは語れませんが、今日にいたって更にとどめを刺す行為であると思います。「閉めきりの広さが有明海全体のわずか4%に過ぎない」ので「環境に影響を与えるわけがない」などというのは言い過ぎではないでしょうか。